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代表者の一言

平成29年4月の代表者の一言

年度末のこの時期は、1年間を通じた子ども達の成長に目を見張ります。入園時にはハイハイをしていた子が歩くどころか走っていたり、二語文だった子がたくさんの言葉で話しかけてきてくれたりと、素敵な場面に数多く遭遇します。他方、この時期には各施設の最年長児が、次の保育園や小学校に進むため卒園します。「卒園」自体は喜ばしいものの、私たち保育者にとっては、惜別の情を禁じ得ず寂しさを感じる時期にもなります。そして、4月に入れば、新入園児を迎えることで、寂しさが時間とともに和らぎ、新しい出会いと子ども達の可愛さと笑顔に触れることで、再び子ども達の成長を支える日々の喜びを実感します。

保育の基礎やその根幹の一に「信頼関係」があり、この言葉を鍵として保育内容を導くことがあります。信頼関係の構築のためには、端的に保育者が子ども達に沢山の愛情を注ぐべきと言われます。子ども達の気持ちに寄り添い、いつでもその気持ちを受けとめて感情を共有することが、信頼関係を築く一歩です。保育者、特に担任の保育士は、園児にとって第二のお母さんお父さんであり、子ども達は、困ったり寂しかったり、嬉しいときには、共感を求めて飛び込んできます。子ども達は、良いことも悪いことも起きることすべてを素直に伝え訴えかけてくれます。この一つ一つをきちんと受けとめて共有してあげることにより、子ども達は落ち着いてより多くのことを求めてくれるようになります。そして、この求めに応えてあげることで、子ども達は人と人とのつながりの素晴らしさを感じ、特定の保育者だけでなく、周囲のお友達や先生にも積極的に話しかけてくれるようになるのです。私たち保育者は、「信頼関係」を築くことにまず注力しています。

街角で、親の言うことを聞かないまだまだ幼い子どもを相手に、ただ一方的に怒っている親御さんを見かけることがあります。私自身も、毎日の生活の中で「時間の余裕」と「心の余裕」がないときに、わが子に対しそのような態度をとってしまったことが全くなかったかというと、そうではありません。だからこそ、こうして保育者の立場になった今、「なぜあのとき・・・」と後悔反省したことを保育の現場で繰り返さないようにとの思いから「子ども第一主義」の理念を掲げるに至りました。

子どもは、成長するにつれ、相手の受けとめ方を推察し、感情のままを言葉や態度に表すことに躊躇を覚え始めます。その中で、子どもの本当の気持ちや、なぜ言いたいことが言えないのかというサインを見逃さず、躊躇することを超えて相互に気持ちを伝えて、子ども達が人と人とが互いに信じ合える喜びを実感できるように導いていきたいと思っております。

人間関係が多岐にわたり複雑になると、大人はなかなか自分の本音を相手に伝えられなくなると同様、子ども達も、成長の中で徐々に場所や相手を見定めるようになります。言いたいけど言えなかった、欲しいけど欲しいと言えなかった、そのようなことのみが重なれば、人は、人に対する距離感を感じて「独り」になってしまいます。技術革新の結果、現代社会は「独り」でも生活できるよう便利に変化していますが、AI(人工知能)にはできない、「人間力」を高めることも私たちの仕事です。心から喜びあったり、ぶつかりあったり、感情を吐露して絆を確かめあったりと、たくさんの愛情で包み込みながら、愛される安心感のある環境のもとで、身体の奥からこみあげてくる「人間力」を育み、お子様の心豊かな成長をご支援して参りますので、小鳩グループを今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

小鳩グループ代表 山本 育子

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