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代表者の一言

令和5年度11月代表者の一言

 今年の11月は、統計開始以来最多の3回もの「夏日」を観測しました。夏の猛暑に加え、秋の残暑の厳しさに、私の幼少期に比べ5~10度くらい気温が上昇したのでは、とすら感じてしまいます。地球全体の気温が上昇すれば、北極や南極等の氷河も融け、その結果として海面が上昇することは容易に想像がつきます。水没の危険に備えて、海岸沿いの道路を陸側に移設するなどの具体的な施策を目の当たりにすると、地球温暖化による危機的な未来を私達人間はどのように食い止めていくべきか、真剣に考えざるを得ません。一人ひとりが環境に対する意識を高め、SDGsという言葉の意味を真に理解した上での行動により、地球温暖化が少しでも回避できることを願うばかりです。

 子ども達は、植物等の静物であっても、あたかもそれが人間であるかのように受け止め表現します。物にぶつかったときは、(ぶつかった物が)可哀想だねーとか、植物を踏んで潰れてしまったときは、(お花や葉っぱが)痛そうだねーとか、数多のものに感情があるかのように表現します。成長して大きくなるにつれ、身に付けた知識や常識で静物を区別し、そのような言動もなくなっていきますが、この子ども達の感性、発言こそが、地球温暖化を食い止める意識の基礎となるものなのかもしれません。子ども達の自然への素直な姿勢と、感性の豊かさは、私達に大きな「気付き」を与えてくれているのです。型にはまった考え方となった大人には全く想像もできない子ども達の言動や行動から、私達保育者は「発見」と「気付き」という素敵なプレゼントをいただいています。だからこそ、私達は、幼い子ども達の素直な気持ちを真っすぐに受け止め、実りある未来につなげていかなければなりません。子ども達の自然な姿を自身にトレースすることも、重要な意識改革の一手だと思います。

 先日、職員らが参加する保育研修発表会に、短時間ながらも出席することができました。職員らの発表内容はもちろんのこと、日々の仕事とは別に、保育を子ども達のためにもっと豊かなものにするのだという気持ちが表れたレポートに心から感動しました。施設で働く「先生」としてのものとは、また異なる視点から、保育の素晴らしさを認識し「より良い保育」を目指す意欲が、十分に感じられるものでした。日常業務から離れて自らの仕事を客観視し、日々の自然な時間の流れの中から、良い点、改善したい点、もっと良くしたい点などの項目を挙げ、そのためには何をすべきかを論理的に発表する姿に、職員の素晴らしい成長を受け止めることができました。小鳩グループでは、学校を卒業後そのまま入社する職員が多いのですが、10年以上前の職員らの姿を思い出し、保育者としての成長ぶりに感動です。中でも、他施設の発表で良かったことを自施設でも取り入れたいとして互いに称賛し合い、意見交換する姿からは、職員らの意識の高さと熱意が強く伝わってきました。

 このように、日常の繰り返しではなかなか気付けないところに気付き、他施設の良いところを取り入れて、より良い保育環境を作ろうとする職員らの姿勢は、私自身にとって、別の形の「発見」と「気付き」を与えてくれました。職員らが意欲をもって成長する姿は、私自身の励みになります。忘れかけた大切な何かに気付いたり、初心を取り戻したりすることもできます。今回の職員らの発表の機会は、必ずや、明日からの「子ども第一主義に基づくより良い保育」につながっていくものと確信しています。

 ご家庭でも、是非、お子様の自然な姿から「気付き」を享受し、楽しく、豊かな子育てへとつなげていただければと思います。そして、子ども達の「身の回りにあるものは全部生き物なんだ」という感性を、私達大人も見習っていきましょう。一人ひとりが自然環境を維持することの大切さに対する意識を高め、地球温暖化に向けたアクセルが踏み込まれない環境を創り上げていくことに努めなければならないと、今、切に感じます。

 

小鳩グループ代表 山本育子

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