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代表者の一言

令和5年度12月代表者の一言

師走から年末年始にかけては、時計の針の進みが加速度的に増すように慌ただしく、あっという間に時が経つと感じられていることと拝察します。12月は、1年で一番、街が煌びやかに輝く月であり、家族の「暖かさ」「温もり」を改めて感じる季節でもあるかと思います。その一方で、中東パレスチナ地域の争いの中で犠牲になっている人々を思うと、人権を無視した残虐な争いの無益さやその冷酷さに、身も心も凍り付くような痛みを感じます。極めて非人道的な悲しい事態を、我々はどのように受け止めるべきか。犠牲になった方々を弔い、このようなことが続かないよう社会支援を心掛けねばならないと感じます。戦争により失った心の豊かさが取り戻されるよう、祈り願います。

子ども達にとって不幸なことは、本来生まれ持つ、伸び行く「芽」が摘まれてしまうことです。「芽」が伸びるに際しては、その置かれた環境が作用します。今年、私がプライベートで訪れた発展途上の国では、子ども達が労働を強いられていたり、充分な教育を皆までは受けることができていなかったりしました。置かれた環境によって子ども達の未来と夢が摘まれていると思うと、やはり残念でなりません。国連レベルでは子どもの権利はきちんと認められており、今、私達大人はこのことを理解し、子どもの自主性を重んじながら保育に携わっています。子ども達の大切な未来が阻まれないように、それを阻むことがどれだけ子どもにとって不幸なことなのかを、多くの人に知らしめ理解していただくのも我々保育者の役割です。

親が子どもを、生まれたときから自己の所有物と捉え、子どもが望まないことや選択肢を示さず決めたことをさせてしまったり、子どもの夢を自分自身の理想とすり替えてしまったりして、間違った方向に進めてしまうことがままあります。

先日、大河ドラマの終盤で、豊臣秀吉の側室である「淀殿」から、彼女自身の理想と過去への思いの中で育てた豊臣秀頼が、幼少期は母の「淀殿」の言うことにただ従って生きていたところ、初めて自身で難しい選択をしなければならない場面となりました。そして、覇道すなわち戦乱の中で育ち勝ち抜くことしか教えられていない彼が選んだ答えは、「戦をし、乱世を戦ちぬく」というものでした。このエピソードに、育った環境がいかに大切かということを痛感します。秀頼には、徳川家康のように争いのない世の中を創ることを、是とする発想はありませんでした。このことを、家康は、「戦うことそのものを求める乱世が生み出した恐るべき生き物、滅ばぬ限り戦を求め続ける。」と評しています。それぐらい、時代背景や環境が人格形成に影響を与えるということです。家康は、浪人が増えてしまったことへの解決策は、浪人を鼓舞し戦わせることではなく、十分に豊かな生活を与えることが大事だと豊臣家に進言します。悲しい事態が継続するパレスチナ地域にも、「徳川家康」のような救世主が平和を求め乱世の終息を図って、人々が平和を是とする社会が築かれるよう祈り願うばかりです。

環境は子ども達にとって、とても大切です。例えば、親の夢=子供の本当にやりたいことではないという意識をもって、子ども達に接してあげることです。子ども達は多くの興味と関心を持ち生活しています。そっと寄り添い、援助するだけでよいと思います。時には想像もしないようなことをしますが、良いことも悪いことも、これも成長のプロセスと受け止め子ども達を見守ってください。

子ども達が豊かな心と生きる喜びを持てるようにするためにも、私達保育者が、心豊かになる環境の中で、心が動く機会をたくさん作る努力をしなくてはなりません。ジングルベルやお正月の歌を歌いながらクリスマスとお正月に胸膨らませている子ども達の思いと願いは、おそらく子どもの数だけあります。そっと耳を傾け、子ども達の発想と発見を大いに称えていただきたいと思います。

 

小鳩グループ 代表 山本 育子

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