代表者の一言
平成30年11月の代表者の一言
9月下旬から10月にかけて、全ての施設で運動会を開催いたしました。多くの方々にご参加いただきましたことに心より感謝申し上げます。概ねは体育館での開催でしたが、戸外で開催する運動会は天候の影響を大きく受けます。小鳩保育園南浦和・南本町の運動会は、台風一過真夏のような炎天下での開催となりました。そのような暑さの中にあって最後まで楽しくたくさんの思い出作りにご協力いただき、本当にありがとうございました。
子ども達、保護者の皆様及び職員が一体となり盛り上がる運動会は、小鳩グループの大きな節目となります。毎年運動会を境として、達成感を得た職員に一体感が生まれ、保育に対してより一層前向きに積極的に関わる姿を目にします。何かを成し遂げた時の達成感は、人間を一回りも二回りも成長させます。
私達は、保育において子ども達と達成感の喜びを共有するよう努めています。保育に「怒る」「叱る」ということはありません。子どもが困っているとき、何らかの原因で機嫌が悪いときには、子どもの状況を考え子どもの状態をそのまま受けとめます。悲しい時も苦しい時も嬉しい時も楽しい時も共有することによって、子ども達の方も私たち保育者をきちんと受けとめてくれます。私自身の子育て、特に初めての子のときは、全てを受けとめ共感することはできなかったことを記憶しています。だからこそ、自身の経験をも踏まえて、様々な方に教えていただいた子ども達にとって一番大切な「子どものための保育」を、しっかりと関係者に伝えていきたいと思っています。
保育の場では「信頼関係」という言葉を度々用います。以前の園だよりにも書かせていただきましたが、信頼関係はたくさんの愛情を注ぐことから始まります。一方的であってもたくさんの愛情を注がれると、子どもはその相手を信じられる人と認識し、その者と共感する場面が増えていきます。たくさんの愛情のシャワーを浴びた子どもは信頼感を持ち、信頼感が自信につながって「人を信じる力」を持ちます。そして、「人を信じる力」は思いやりにつながり、「人を受けとめる力」と「自ら行動する力」へと更に変わっていくのです。私達保育者がなすべきことは、愛情ある保育を施して、子ども達が「自分の意見をしっかり伝えられる」、「お友達の気持ちをしっかり受けとめられる」、そして「自ら行動できる」よう、就学時までに導くことなのではないか、と考えます。
10月に入って、新設施設の入園説明会が始まり、「情操教育」に関して具体的取組みや内容を質問されることが多くございます。この情操教育は、あくまでも多様な体験を子ども達に提供する場であって、日々の遊びの中で情緒豊かに育ってくれることを目的とするものであり、子ども達を比較したり順位をつけるものではありません。教育は学校に入ってからでも充分に受けることができます。この成長著しい6年間の保育園生活の中で一番身に着けてほしいことは、前述の「人を信じる力」と「人を受けとめる力」です。
当グループの年間行事の中でも運動会は、関係者が一体となって皆の信頼関係が強固になる素敵なイベントです。皆の愛情が子ども達を通して一つになり、イベント自体がまるでゆりかごのように優しく楽しく時にかっこよくゆらゆらと流れていく様子が、私自身とても大好きです。
次の大きな行事は、冬のクリスマス会です。子ども達の健やかな成長を、時々の行事を通して受けとめていただけると幸甚に存じます。楽しい行事を通じて、保育園という日常生活の場が、子ども達、保護者の皆様そして職員にとって、より一層充実したものになることを心より祈念しております。
小鳩グループ代表 山本 育子
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