代表者の一言
平成29年7月の代表者の一言
新年度が始まって3か月が経ち、各施設の園児達からは、担任の先生や環境に慣れ、日々の保育園活動が生活の一部となり、自然に楽しく過ごせるようになってきた様子が見受けられます。6月は、梅雨を迎えどんよりする時期ですが、「虫歯予防デー」、「時の記念日」、「父の日」など子ども達に伝えたい行事が様々あります。
当園では、「虫歯予防デー」にちなんで歯科検診を実施するなど、毎月の「季節の行事」に際して、その行事の意義や意味を伝えるようにしています。3歳児以上の園児達は、素朴な質問が出るなど積極的に反応してくれます。2歳児までの園児には、先生の手作りの制作物などによる表現を通じて目や耳などで感覚的に行事や季節感を感じてもらっています。先生達は季節の行事に関連した制作物、壁面や衣装などを、園児に伝えたいという熱い思いから一生懸命創意工夫して作り上げています。
6月の行事といえば父の日を真っ先に思い浮かべる方が多いでしょう。5月には「おかあさん」という歌を「月の歌」として園児らが力いっぱい歌っていますが、6月に「おとうさん」という歌はなく・・・と思うことがあります。何となく「母の日」に敵わない「父の日」の存在ですが、各施設で園児の送迎や行事に参加されるお父様の姿を多く拝見しており、お父様方がいかに頑張っているかを実感します。
2、30年前までは専業主婦の方が多く、子育ては主に女性の役割でした。成人になる我が家の二人の子を産休明けから保育園に預けていましたが、当時はお父様の送迎を目にすることはほぼなく、ましてや抱っこひもを使用されるお父様を見たことはありませんでした。我が家も、4歳年の離れた下の娘が2歳になるまでは夫のお迎えは皆無に等しく、6年間は母親のみ、その後も就学まで夫に送迎を頼むことは稀でした。
当時の専業主婦率は約6割だったようですが、その後の男女共同参画社会の実現という目標に基づき、今では、事業者や行政のバックアップで家族を取り巻く環境や考え方が大きく変化しています。各施設を送迎時間帯に巡回すると、特に朝は、お父様が大きな荷物をもってお子様の手を引いて登園する姿を多く見受けます。近年は、妊娠時より「両親学級」に夫婦で参加し、子育ての共有・共感をされるようで、その影響もあってか、おむつ替えが上手なお父様が多いです。そして、共に働き共に子育てをする中で、お父様の顔が優しく、子どもへの声掛けも柔らかな方が多いように感じます。
もっとも、男女平等といえども、男性の育児休暇の取得率から分かるとおり、男性が社会や組織の立場上拘束され、女性より子育てに時間を割くことに理解を得られにくい状況は残っています。そのような制約の中、これだけ頑張っているお父様方に、子ども達も奥様も感謝しているものと思っています。
当時は当たり前のことではありましたが、家事、育児、教育のすべてを私に委ねていた夫は、今更ながら子ども達が大人になってからの関係性に取り戻せない何かを感じているようです。ですから、保育所への送迎、子育てに関する様々な協力をされているお父様方には、今の経験によって、子ども達が大きくなったときに、子育ての一つ一つの出来事を感謝され、ご夫婦で思い出を共有することにより、年老いた時に会話も弾み、その思い出が夫婦の共有財産になるということを(我が家の反省とともに)お伝えしたいと思います。
今後、子ども達からお父様へ感謝の気持ちを表現する機会を積極的に作って参りますので、お父様方におかれてはどうぞ積極的に子ども達に関わり、家族の思い出をたくさん作っていただきたく存じます。
小鳩グループ代表 山本 育子
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