代表者の一言
平成28年10月の代表者の一言
リオに世界中が沸いた熱い夏が終わり、次なる開催地「東京」へ向けてオリンピック旗・パラリンピック旗が小池東京都知事に引き継がれました。日本中が4年後に自国で更に大きな夢と感動をと期待する中で、「東京」へのカウントダウンが始まっています。オリンピック・パラリンピックの開催は、人々の気持ちを昂らせ、経済的な需要を高めるなど、様々なところに好影響を及ぼすことでしょう。
この度のアスリート達の姿は、あたかも世界中の人々の共通言語のごとく、同じ感動や心温まる幸せをもたらし、国・人種・宗教が異なる人々の心を一つにしてくれました。そして、人は独りではなく広く全世界でつながっていることを実感させ、「個」が尊重される「個」の時代ゆえのすれ違いによって私達が忘れかけた何かを、思い出させてくれたように思います。まるで小さな子どもの笑顔が、国や言語の違いに関係なく周囲の人々を不思議と引き付け、微笑みを誘うのと同じ感がありました。
52年前の東京オリンピック時と全く異なるのは、女性や子どもの権利が確立して個人の権利が尊重され、男女の社会参画の機会均等化が進み、大人もその意識の下で子ども達に接していることでしょう。近年大きく変化したことの一つは、女性が社会のあらゆる場面においてリーダーシップを持ちながら、男性とバランスをとりつつ物事に取り組むことが実現されてきたことではないでしょうか。一方で、平成に入り個人の権利がより尊重される中で、孤独による疎外感から各種の問題が生じるようになり、また、幾度となく経済が不安定になったこともあって、改めて「強く生きる力」をもつことが重視されており、この力を子ども達に育むことが保育業界の重要な課題ともなっています。
そして、これからの社会は、次なる世代に向けて「個」を尊重しながらもノーマライゼーションの精神に基づき、子ども、高齢者、障害者らが、共に日常を生活できる場所・場面を地域の中に作り上げていくことを求めています。そのためには言葉を超えた感動の共有が必要と思え、それが子ども達の笑顔であったりスポーツであったりするのかもしれません。このような観点からも、幼少期の感動や好奇心の芽を摘まずに人を信じ愛することができる環境作りの大切さを、小鳩グループ内で意識徹底して参ります。
スポーツに関しては、当グループ全施設で、外部インストラクターによる体操教室を実施しています。子ども達は先生やお友達と共に身体を動かしながら、笑顔や感動を共有しており、3歳以上になると互いに応援したり励ましあったり褒め合う姿も見られるなど、スポーツを通じて豊かな心が育まれています。古代ローマ人は「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と言ったそうですが、身体を鍛えることは健全な精神活動につながり、ひいては学問上・ビジネス上の成果にもつながるものです。当グループでは、身体を動かすことの意義を、日々の園活動の中で子ども達に自然と感じてもらえるよう努めています。
いよいよ来月には、各施設で運動会が開催されます。子ども達が様々な種目で日頃の練習の成果を披露する「小鳩の運動会」を、身体を動かすことによる子ども達の成長を実感しながら、共に楽しんでいただければ幸甚に存じます。
小鳩グループ代表 山本 育子
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