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代表者の一言

令和7年11月代表者の一言

秋の声を聞くなり気温がぐっと低くなり、短い秋から冬への準備が始まります。こうして時が経つ中、私は60代になり、保育園の子ども達が二世代違いの「孫」の年齢となりました。新しい命が生まれて成長し、意欲的に前に向かって進もうとするキラキラした姿を目にすると、私もそのパワーにあやかって、志高く元気に生きようという気持ちなります。一方で、「老い」という言葉を身近に感じるようにもなりました。孫とは三世代違いとなる90代の両親は、最近では食べても栄養が吸収されないのか、脂肪もつかず一回り痩せてしまいました。心は元気でも体調面は時折不調で、SOSのサインが届くこともあります。
両親の生きることへの意欲は真逆で、父は94歳になっても「まだ人生にやり残したことがある」と言いながら「やりがい」を探し続けるタイプ、他方、母は90歳になって「老いてできないことは他人に迷惑だから(そんなところは)見せたくない」と老いに卑屈になるタイプです。そんなタイプの異なる二人がバランスを保ちながら地方で二人暮らしをしているところを、私自身も両親にできることはしていこうと決め、時には飛行機での日帰りを含め、持病がある母の毎月の健診には同行するよう努めています。ただ、そうは言っても、最近ではケアマネージャーさんなど第三者の助けを必要とする場面が増えてきました。
先日、仕事で忙殺されている時に、突然母から父が立ち上がれなくなったという連絡が入りました。母のメールの表現では、父の具合も詳しい状況も分かりませんでしたが、ケアマネージャーさんや訪問看護の方々が適切に対処してくださり、正確な状況を教えていただくことができました。そして、その後のご支援のお蔭もあって父は快方に向かい、現在は再び二人での自立した生活が取り戻せています。
兄は外資系の会社の仕事で頻繁に海外に出ているため、日頃から、私が責任をもって「いざとなったら両親のもとに駆け付けなければならない」と強く思っていましたので、ケアマネージャーさんと連絡を取る度、すぐに両親の元に駆け付けず、具合の悪くなった父と不安に思う母のそばにいないことが申し訳なく、何度も「申し訳ございません」「ご面倒をお掛けします」と謝っていました。そんな時、担当のケアマネージャーさんから、「社会にはきちんとした福祉制度があるのだから、ご家族が全てを抱え込む必要はありませんよ。必要な時は介護サービスを頼りましょう。ご両親にもサービスを受ける生活に慣れていただかなきゃですね」と言われたことが、とても心に残っています。
同じく社会福祉事業である保育事業も似た面があります。保育園では、保育を必要とするお子様に対して、ご家族に代わって子ども達が成長する時間と環境を提供しており、私達は、子ども達が園で過ごす時間と環境がどうあるべきかを日々話し合い、子ども達にもご家族にも、より豊かな思いで過ごしていただけるようにすることを生業としています。介護事業では、利用者である高齢者の方々に対して、それまでの人生や社会への貢献に敬意を表しながら、手すりや段差の改善など、住環境を含め生活を豊かで最善なものにするための適切なアドバイスが提供されています。どの福祉サービスでも、利用者に寄り添い受けとめ、その方にとって最善の環境をつくるという共通の使命があり、利用者の満足が仕事の達成感となるというどこか方程式めいたものは変わらない、との思いがこの間の経験でより強くなりました。保育も介護も、家族だけでなく社会全体で支え合うものだと改めて実感した次第です。
先日、悲観的に考えがちな母が、「90歳になって、自立して生活していても周りに世話を受けんにゃいけんことが分かった。」と話してくれました。この年齢になって、いかに自立しているようでも実は周囲の支え無しに生活できないことが身をもって理解でき、そして感謝しているというのです。私自身、そこまで長生きできるかは分かりませんが、年齢をそれだけ重ねたからこそ気付ける感謝と学びがまだあることを教えられ、我が母のことながら感心しました。
小鳩グループでは、各施設に「子育て支援」を目的とした「こばとホットステーション」を設けて、地域の皆様の子育ての悩みや質問に対応しています。小さな事でも遠慮なくご相談ください。私達は、保育事業者として、積極的に地域社会に関わり支え合いながら、これからも役割を自覚し信念をもって児童福祉の拡充に努めて参ります。

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