代表者の一言
令和6年7月代表者の一言
盛夏を迎え、いよいよ夏本番となりました。気温だけでなく熱中症の「暑さ指数」も急上昇し、屋外での日常活動や水遊びまでもが危険となる時節となっています。このような状況下では、エアコンによる温度調節に頼らざるを得ませんが、個人的には、ヒートアイランド現象の一因となる室外機からの熱風が、更なる環境負荷を招くのではないかと思ってしまいます。我々が環境の保全より利便性を重視して人工的な開発を最優先した結果として、命を守る行動が必要となった現状については、大いに省みるべき点があるでしょう。地球全体の温暖化にブレーキをかけ豊かな自然環境を維持するために、脱炭素化に向けて我々ができることに取り組みながら、保育の現場においても、未来を創る子ども達に、自然と人間の共生の意義を伝えていかなければならないと改めて感じます。
この7月、20年ぶりに「紙幣の顔」が刷新されました。発行日当日、たまたま出張で訪れた埼玉県北部の駅の改札周辺は、渋沢栄一が1万円札の顔となったことを祝賀するムードに包まれていました。ただ、20年前よりも、新紙幣発行に対する若年層の関心が少ないとは感じます。電子マネーの普及により、前回と比べて新紙幣の発行量は約3割減となっているとの報道もありました。若い世代を中心に、現金をほとんど持ち歩かない人も普通になっており、クレジットカードや電子マネーによる決済しか対応していないお店も増えています。
考えてみると、書籍は紙媒体から電子媒体にシフトし、ニュースは新聞を購入して読むよりもスマホのサイトから拾い読みすることが日常となりつつあります。情報はSNSを中心に関心のあるものにアクセスして獲得するスタイルになっています。このような時代の流れの中、アナログ世代の私にとっては、保育園からの情報発信ツールとして、公式インスタグラムや公式ラインを導入することに理由なき抵抗感もありましたが、関係者の皆様に保育園のことをより理解していただくために、また、採用活動をよりよく進めるためにも、ICTを利用した情報発信は今や必須の手段であると受けとめました。
そこで今年度から、小鳩グループの「公式インスタグラム」「公式ライン」などを導入し、徐々に情報を発信させていただいているところです。そして、これらのツールを適切かつ十分に活用しながら、情報を共有して小鳩グループをより身近に感じていただけるよう、保育園を利用する保護者の皆様ときちんとつながっていけるよう、また、関係者の方々と的確に意見や思いを伝え合えることができるよう、今後とも不断の環境整備に努める所存です。
思えば、私が参加する同年代以上の方々との「会合」や「団体」では、紙の方が「あたたかみ」があるとか「見やすい」といった、あえて言えば偏向した理由で、紙媒体から電子媒体への移行のハードルが高い嫌いがあります。ただ、決め付けによる「順序・序列」や「しきたり」を優先させる考え方は、最善の対応や結果への速やかなアプローチを阻むだけでなく、取り残されて劣後の立場に陥る危険性すらはらむものです。同様な意味で、サラリーマン時代には、ロジカルではない感覚的な評価や決定をされたり、頭ごなしに否定されたり、地位や権限を盾に議論なく旧態依然とした決議がなされて会社の大切な機会やリソースを失う結果となったりと、残念な思いをしたことが幾度もありました。
私自身が評価や決定を司る立場となった今、温故知新の精神を大切にしながらも、個人的な過去の苦い経験を活かして、変化に対して背を向けずに時代に向き合い、次世代のためにも最善を追求していきたいと思います。そして、各世代が担う役割を尊重し、相互理解を進めて共生し、子ども達の将来がより良く、より幸せなものとなるよう、そのための様々な方策を尽くして参ります。
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