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代表者の一言

令和5年1月代表者の一言

 寒波の到来により、朝晩の冷え込みが厳しい時節となりました。空気も乾燥しており、乾燥によって気道粘膜の防御機能が低下しますので、インフルエンザをはじめウイルス性疾患の流行が危惧されます。室内の湿度を50~60%に保っていただくなど、ご家庭においても感染リスクの少ない環境づくりにご留意いただくとともに、手洗い、うがい、マスク着用などにもお気を付けください。

 新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限がほぼなくなり、コロナ明けの社会を改めて俯瞰すると、目まぐるしくデジタル化が進んだように思えます。ネットショッピングが浸透し、メニューもオーダーもQRコードを読み取って行う非接触型伝達の店舗が増えました。情報の多くはSNSを通じて発信され、それをフォローすることで情報が拡散していく社会です。配信サービス型の視聴も増え、旧来の番組型のテレビは視聴者が高齢化し、CM内容も変わってきたように思えます。昨年末、大阪を訪れた際に、久しぶりに現金しか使えないタクシーに遭遇しましたが、今やキャッシュレス決済が主流で、都心部ではATMに人が並ぶ光景もあまり見られなくなりました。便利な一方で、キャッシュレス取引では、お金の価値、重みを実感できず、浪費につながる事象が増えるのではないかとも懸念されます。便利さの中で置き残された「本当(リアル)の価値」についてきちんと確認していくこと、そしてその大事さを伝えていくことが、我々年配者の責務であると考えます。

 このような時代背景の中でも、子育てに関しては、時の流れの影響なく真実は変わらないように思います。昨年末、家族で外食をしていた際、隣のテーブルで、2歳前後の子どもに向かって「だからダメだっていつも言ってるだろう」と叱咤し、「この子は何度言ってもわからないから」と嘆いている親御さんがいらっしゃいました。当然にして子どもは泣き出し、座っていたハイチェアから降りたがりました。その行動に、親御さんが更に「静かにしろよ」と大人の要求をしたところ、その子は収拾がつかないほどの状態になってしまいました。大人のものさしで子どもを見ると、このような発言に至ってしまうのかもしれませんが、子どもには年相応の発達に伴う受けとめがあり、それを理解し、子どもの本当の思いや関心ごとを尊重し、子どもに寄り添っていくことが身近にいる大人の役割です。大人のマナーや流儀など理解できるはずはありません。同じような状況下で、おとなしく何もしない子どもを「いい子だ」と褒める方もいます。ですが、もしかしたら、怒られるのが怖くてそうしているのかもしれません。大人のマナーの押付けは、子どもが「自分自身を抑え失い」その正常な発達を妨げるということに、大人は早く気付いてあげなくてはなりません。昨年来、保育園内での虐待に関連するニュースが話題になっています。保育者が、1日の生活を大人の都合でスムーズに進めたいがために、ペースを乱す子どもに圧力をかけてしまう、これが虐待の大きな根っことなっているように感じます。これは決して躾ではありません。今、話題となっていることは、保育園だけでなく、家庭でも、そして世の中でも、本来の子育て、子ども達の成長にとって一番大切にすべきこと、子ども達のために行動しなければならないことを気付かせるための警鐘と捉えたく思います。

 小鳩グループでは保育の真髄、保育者が持つべき考えを全員に理解してもらうために、ここ数年、従業員教育、研修を強化しております。保育者が子ども達の心身の発達と成長を理解し、一人ひとりの子どもを受けとめ、愛情をもって子ども達の未来へ向かっていく芽を育むことに達成感や喜びを感じられる働き方ができるようになり、また、そのことにより子ども達がそれぞれ自己に自信をもって成長すれば、より良い社会の基盤となるでしょう。

 多様化する社会の未来に向かって、誰もが幸せに暮らしていけるよう、子ども達が自身の個性を発見し朗らかに元気に育っていけるよう、保育を通して貢献して参ります。 

 

小鳩グループ代表 山本育子

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