グループへの
お問い合わせ

こばとほっと
ステーション

採用
特設サイト

上へ戻る

代表者の一言

令和4年4月代表者の一言

 4月を迎えて暖かな日差しと春の陽気に包まれ、年度替わり後の新しい生活にも徐々に親しみ始められた頃ではないでしょうか。もっとも、新入園児の保護者の皆様は、まだまだ不慣れなところもおありかと思います。「不安」なところは保育園の先生に任せていただき、楽しいこと嬉しいことを子ども達と共有、共感しながら、一緒に素敵な保育園生活にいたしましょう。保育園では、お子様をお預かりするに際してご家庭とたくさんお話しさせていただきながら、子育て相談、子育て支援も行っています。お子様の成長や発達に応じて、お子様が豊かな心を育み、未来に向かって逞しくはばたけるよう、ご家庭の皆様と協力しながら、共に取り組んで参りたいと思っております。

 私は、平成6年5月に生後56日の長男を保育園に預け、産後の職場復帰をしました。このお便りでも何度か触れていますが、当時は保育園の数が少なく子どもを預けること自体が難しかった上に、開所時間も短いため、預けることができても残業がない働き方を余儀なくされました。故に、民間企業で働きながら子育てをするという選択をする人はほとんどいなかったように思います。だからこそ、保育園の先生方は、私にとって、子育てと併行した就労に対してのよき理解者であり唯一の相談相手であり、そしていつも励まされていました。日々感謝の気持ちでいっぱいでした。二人の子どもの通算10年間の保育園通園生活は、私にとって、子育ては一人じゃなく多くの人に支えられて成り立っているということを痛感し、保育園に対する感謝の気持ちが膨らむ毎日でした。「子育てはあっという間だからその時間を大切にしなさい」と園長先生に言われ、あっという間の時間をあっという間と受けとめられない日々の中ではありましたが、できることとして、まずは子どもと向き合って子どもが必要としていることに応えていくことを最優先に、仕事の面では(人生の)「充電期間」と捉えて向き合っていました。

 その子育てがようやくと落ち着き、小学三年生の娘から背中を押され、転職が難しい43歳にキャリアアップを決心し、18年働いた会社を退職しました。転職に当たってのテーマは、自分自身を今まで支えてきてくれた関係各所に対しての恩返しです。保育園経営者になるとの決断は、待機児童問題が社会的に大きく取り上げられる前の平成23年、48歳のときでした。現在、18の施設を運営していますが、これもひとえにこれまで支援していただいた役員の皆様や、今までご縁のあった職員らへの感謝の気持ちが原動力になっています。出会えたことに感謝、自分自身が今こうして生きていることにも感謝、愛する家族や、尊敬する諸先輩、関係者への感謝の気持ちが今に導いてくれたように受けとめています。

 ロシアとウクライナの悲惨な戦いが終息せず、コロナ第7波の到来も懸念されるなど、穏やかな気候と相反して、混沌とした情勢が継続しています。戦争を身近に経験したことはありませんが、画面を通して戦争を目の当たりにするだけでも、戦地で命を失った人々を心より悼み、残酷で辛い経験をした人々を、できることなら励まし、支援してあげたいという気持ちが募ります。幸せであるが故に気付かなかった「当たり前の毎日」が、いかに生活の維持に貢献する仕事に携わっておられる方々や、互いに幸せな未来に向かって進もうとする関係者の方々の力により成り立っていたかということに気付かされます。そして、それは互いに感謝の気持ちでつながっているのだと思います。

 戦争は、相手を敬い、感謝する気持ちを失わせ、ただただ命を犠牲にした壊滅的な解決のために盲目的に突き進んでいきます。人道的なものの多くが失われている中で、我々がどうやって手を差し伸べることができるのか。目の前の私利私欲に囚われ、刹那的な判断をするよりも、「感謝」の気持ちで一つ一つのことに向き合い分かち合うことで、物事が見い出されてつながっていくという大切なことに、早く気付いてくれるといいなと願うばかりです。

 年齢を重ね、関係者の方々や、ご家族、職員の幸せを願い活動することの意義と意味を感じるようになりました。今年度も「感謝の心」を大切に、社会的に有意義な活動に努めたいと思います。

 

小鳩グループ代表 山本育子

過去の代表者の一言を見る