代表者の一言
令和4年10月代表者の一言
空が高く広がり、正に秋本番を迎えています。コロナ禍での3度目の「秋」ですが、今年の秋は、感染者数は少なくないながら、精神的にも環境的にもコロナ前に戻りつつあると感じます。夏から秋にかけて、伝統的な「お祭り」も各所で感染対策を講じながら開催され、縁日の露店もあり、懐かしい光景が広がる様子に童心に帰ったようにわくわくしてしまいます。子ども達はお祭りが大好きです。園のお祭り形式のイベントでも、皆が心から楽しんでいる様子を目の当たりにしますし、街で偶然お祭りに遭遇したときも、大人に連れられた子ども達が、目をキラキラさせて探索している姿を見受けます。綿あめやお祭り特有のお菓子を手に持って満足そうにしている笑顔に、何とも言えない愛おしさを感じます。私自身、子どもの頃の思い出として、家族と一緒に旅行したことや、お祭り、花火大会、夜市などを時々に楽しんだことが、途切れ途切れながらも強く記憶に残っています。
10月中旬より「全国旅行支援」が始まりました。この数年間、「旅行」という言葉から遠のいた生活だったご家庭がほとんどかと拝察します。思い出は旅先にあり、という表現が的確かどうかは分かりませんが、我が家の子ども達の思い出は旅行中に集中しているように思います。「あの時あそこでこんなことしたね。」というものは、大抵日常ではなく旅先での出来事が多いのです。そう考えると、子どもにとって、旅先で起きたことは忘れることなく「思い出のアルバム」に刻まれるものなのだなぁ、と感心すらします。きっと、当時の我が家の子ども達にとって、旅行中は非日常的に家族で一緒に楽しめる大切な時間だったのでしょう。このことは、ちょっとした「おでかけ」であっても同じだと思います。秋は晴天の日が多く過ごしやすい季節です。子ども達の感染症等の罹患率も低く、生活が安定する時期でもあります。是非、コロナ禍ではできなかったアクティブなイベントを、ご家族で企画してみてください。
先日、学校の先生とお話しする機会があった際に「修学旅行や家族旅行が制限され、海外との交流が少なくなったために、学生の「グローバル精神」が低下してきた。」とお聞きしました。私も、同様の感を抱いています。先日、日本の大学の世界でのランキングが低下してしまったというニュースを耳にしましたが、世界基準での知識の向上や挑戦する意識は、多くの体験を経た上での感覚的なものからスタートするのではないでしょうか。コロナ禍でインターネットでの交流は拡充したものの、実体験することでの関心や興味が低下し、海外への挑戦の機会が減ることによって「若き英知」が育ちづらくなっているように思えます。外出の機会が少なくなっている今だからこそ、科学や自然、そして世界が直面している環境問題や持続的な社会の構築に関してグローバルな感覚を身につけていくために、ご家庭においても、外に向けた関心や興味を育んであげてください。経済的にも時間的にも簡単なことではありませんが、未来にはばたく子ども達のために、多くの機会や体験を家族で過ごす時間の中に取り込んでいただければと思います。子ども達の発見は、必ず未来を創るエネルギーになります。
保育園でも、子ども達の興味と関心の輪が広がる遊びを展開し、たくさんの体験の場を提供し、子ども達の世界を広げることができるよう、これからも尽力して参ります。
小鳩グループ代表 山本育子
過去の代表者の一言を見る