代表者の一言
令和3年9月代表者の一言
今年の季節の移り変わりは、例年より早く感じます。梅雨が明け、夏の訪れと共に東京2020が始まり、その素晴らしさに盛り上がり感動した時間が過ぎると、もう秋の気配を感じるようになりました。このような中、新型コロナウイルスに関しては「デルタ株」が大きく報じられ出した頃から、無症状の子どもの感染者数の増加、保育園や小・中学校の子ども達からの家庭内感染という新たな心配の種が生じ、不安を感じていらっしゃる方も多いのではと思います。当グループでは、これまで以上に感染防止体制を強化し、手洗い・手指消毒について子ども達に指導しつつ、職員に対してはワクチン接種を促しております。もっとも、国内でのワクチン接種率は早いスピードで上がっており、行動規制が解かれた日常が近づいているように思え、明るい未来への兆しを確かに感じる秋となればよいなあと望んでいます。他人と接しないことが「是」という環境下で成長し育った子ども達に「歪み」が生まれないよう、今からアフターコロナの備えを考えておくことが事業者の必務と受けとめています。
コロナ禍で一変した私達の生活をリスタートするにあたり、「リスタート」だからこそ改めて推進できることもありそうです。先日、行政から、保育園でできるSDGsに関する資料が配布され、早速、管理本部長より全職員に配信し周知しました。我が娘が実行委員を務めていたこともあり、私も娘の通っていた大学の学園祭を毎年見物しに行っていたのですが、5年前の学園祭、休憩と暑さしのぎに偶然入った大教室で「SDGs」が終日のテーマとして語られており、そこで初めてこの目標を知りました。我々人類が地球のため後進のために実行すべきこと、その意味と意義がスライドなどでプレゼンテーションされていて、とても感心し、その考えに大いに共感したことを覚えています。
日本では、その頃からコロナ感染拡大が始まった2020年年初までは、経済は堅調に推移し、国際交流も活発で、就労者はONは仕事に忙しく、OFFは旅行や外食など余暇に費やし、時間軸としては留まることなく前に前にとスライドしていたように思います。今後、ニューノーマルな生活の中で、再び経済活動が活発となるときが必ず到来するでしょうが、そこで、新しいスタートだからこそできることとして、持続可能性や壮大な地球規模のテーマ、温暖化に対する危機感などを、私達が携わる福祉分野においても考慮、配慮し、その積み重ねを結果として示していくことを、皆の生活において共有していく必要があると思います。
SDGsの17のゴールを表現したカラフルなアイコンの意味をご存じではない方もいらっしゃるでしょうが、この一つひとつの目標は、どれも、自らの行動が目標達成への何かしらの一歩となる可能性のあるものばかりです。意識を変えることによって、地球環境を変えることができることを知れば、まずできることは手掛けたいと思うようになるはずです。
2030年までに何がどう変わっていくか、保育園を中心にできること可能なことを、日々の生活に組み入れてくことから手掛けたいと思います。食育、ジェンダー平等、ごみ問題、物を大切にすることなど、飽食、豊富な現代社会では、意識しなければ見過ごしてしまうことかもしれません。SDGsに共に取り組むことは、コロナ禍で孤立し、孤独になってしまった人間関係を意識的に取り戻すための最適のテーマです。ご家庭においても、SDGsについて話し合ったり、考えたりすることで家族の絆が深まるのではないかと思います。
一人では達成できないことですが、一人でも始めることはできます。11月には国内で接種希望者へのワクチン接種が完了すると報道されています。まず、保育者である私達が努めなければならないことは、コロナ禍で失われがちな「愛情あふれる人と人とのつながり」を取り戻すために尽力することです。そのために、未来に向けての「テーマ(SDGs)」を示し、導くことにも努めたいと思っております。
小鳩グループ 代表 山本 育子
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