代表者の一言
令和3年7月代表者の一言
この度の東京2020オリンピックは、過去に例のない「無観客」での開催となりました。観戦を楽しみにされていた方にはショックなニュースではありましたが、やむを得ない賢明な判断だったと受けとめています。アスリート達にとって大切なイベントですので開催はするものの、開催地が緊急事態宣言下にある以上、安心安全のための方途として「無観客」としたTOPの決断に改めて敬意を表します。賛否両論ある中、この決断が最善と打ち出すことは難しいことだったと拝察します。経済や政治面からみても苦渋の選択であったでしょう。
「決断」といえば、私は小鳩グループの代表者として、幾度となく「決断しなくてはならない場面」に直面します。会社の運営方針や経営方針は、最終的には取締役会や理事会等で協議したうえで決定しますが、代表者自身の考えた方針を打ち出しながら推し進めることが概ねであるといえます。決断を求められる立場に立ったときには、会社経営について多くの事を、客観的に学び、直接的、間接的に経験してきたことが礎となります。常に情報収集し、自ら学ぶことを怠らないこと、今、目の前にあるタスクを後回しにしないことが、一つひとつの決断に大いに紐づいていると感じます。
私の仕事に対するスタンスは、インターネットがない社会人1年目から3年目の時代に、先輩に習い、机の上に国語・英和・和英・古語辞典等を並べ、広辞苑を購入し、分からないことはすぐに調べて仕事を進めることを、習慣づけて身に付けたものです。先日、入社二年目になる娘が「自分のところに沢山仕事が来すぎて大変。全然やらない人もいるのに・・・」と不満そうにつぶやいていました。社会人になると今までとは違う会話が多くなり、それはそれで一人前だなぁと、心が綻ぶこともあります。ただ、この不満話を繰り返すようになったので、娘に「たくさん仕事が集まってきてよかったじゃない」と言ったところ、「?」の顔で怪訝そうに見つめられました。「なぜ仕事が集まるか考えようよ・・・それは、仕事さばきが早い、そして提出されたものの評価が高いからだよ。早く仕事をすると時間が余り、すぐ次のステップに入れるでしょ?人よりたくさん仕事をして、たくさんの事を学び、経験し、覚えていけるんだよ。ラッキーとしか言えないじゃない?」とポジティブに伝えました。娘は「ふーん」と不可解な面持ちで返してきましたが、最近ではその意味を理解したようで、むしろ忙しさを糧に「学び、熟知していく楽しさ」を仕事に見出しているように思えます。
私自身、「先送り」は好きではありません。今、この場で解決すれば、また次のチャンスが来てチャレンジできるという考えが染みついているのは、娘に伝えたのと同じようなことを、新入社員のときに言われた経験からかもしれません。社会人になって2、3年以内に覚えたこと、身に付けたことは、その後どんな仕事に就いたときにでも土台として在るなぁと感じ受けとめることがあります。人生をこれに置き換えて考えると、就学までの保育園の子ども達が日々経験すること、周囲の環境が、常に吸収されてその子の礎となります。子ども達にとって最善のものを、より多く授けるよう努めなくてはならないと・・・まさに「三つ子の魂百まで」と思います。
冒頭申し上げたとおり、今回の東京オリンピックの無観客開催は、小池都知事ほか関係者の勇断です。私自身も観戦チケットが当たっていましたので、残念な気持ちもあります。ホテル業、旅行業、飲食業の方々など、この決断によって経済的打撃を受けた関係者の方も多くいらっしゃいます。ですので、この「決断」をした以上は、気持ちを切り替え、現状に留まらず、ワクチン接種の推進、経済効果の高い施策、学び考え「次に前進するための方針」など、たくさんの良策を打ち出して統率していただきたいと願います。私達もできることを支援していきたいと思います。
子ども達が、元気に、笑顔いっぱいで、活動の場を制約されることなく、多くの事を体験できる社会が早く戻ってくることを祈るばかりです。
小鳩グループ 代表 山本 育子
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