代表者の一言
令和3年3月代表者の一言
冬の寒さ厳しい時期が終わり春が近づき始めますと、何か淡く明るい日々を目の前に感じ、気持ちが高揚します。「春の訪れ」という言葉自体、幸せが近づいてくる様を表しているように思います。この冬は、新型コロナの感染拡大により、身近にもり患者が出る一方で、衛生管理の徹底などによるのか、毎年12月から1月にかけて一度は引いていた風邪を全く引いていないことに気付きました。インフルエンザのり患者が少ないのも、これと似た現象なのでしょう。コロナ禍は今年も続いていますが、近頃は、感染者数の減少、ワクチンの接種の開始と、上向き基調のニュースにも多く接するようになり、春の訪れとともに、うっすらと淡い光が差し込んでくる予感がしています。
今月、友人が経営している地方のホテルが、コロナ禍もあって存続の危機にあるとの連絡を受けました。ホテル業は、コロナ禍の影響を直接的に受ける業種です。宿泊、飲食、それに伴う販売や仕入について、どれだけ工夫しても到底運営に足る売上が得られず、お手上げ状態のようでした。私にできることは、話を聞いてあげること、励ますこと、クラウドファンディングなどで支援することなどに限られます。一方で、友人は、このような状況下、自身がしっかり従業員に向き合って話す機会が増えたことで、信頼関係や組織の結束力が強まり、それが過酷な現状を乗り越えるエネルギーになっているとも話していました。正に「家族」だなと感動しました。クラウドファンディングでも予期した以上に資金が集まり、たくさんの支持者・応援者の存在を感じたことも励みになっているとのことです。関係者の思いと絆の深さが、窮地に陥ったときに必要な力となるのでしょう。
集まった人々に娯楽やサービスを提供する事業者の方々が、死活問題と向き合いながら事業の継続に務めておられることに、心から敬服し、応援申し上げます。私の年代になると、経営者の立場の方が多いのですが、弱音を吐きながらも、自分に付いてきてくれている部下のために頑張らなければという使命感から、会社の資産価値をきちんと維持しつなげていこうという揺るぎない気持ちで、会社という「家族」を守ることをどこまでいっても真っ先に考えているように思います。会社の資産はお金や物ではなく、賛同して付いてきてくれる従業員です。この苦しい期間に、経営を維持するべく次なる経営戦略を考えている事業者の取組みに脱帽いたします。
小鳩グループの来期の新卒者採用活動は、学校の授業、特に、保育実習の遅れの影響を受け、例年より2か月程後ろ倒しになったように受けとめています。来年度はさいたま市浦和美園に認可園を新設することもあって、多くの保育士、栄養士及び調理師をお迎えします。グループ全体の従業員数は350名を超える予定です。採用活動では、私自身が、全員に対して会社概要・理念を説明させていただいており、また、日々施設を巡回して、できるだけ多くの従業員と直接会うことに務めています。かなり大きな組織になりましたが、私から見ると全員が大切な家族です。一生懸命に困難に立ち向かい従業員を守る経営者を目にして、私も350人の家族をきちんと守らなければという気持ちが、更に高まっています。
保育において、最初に築くべきは「相手を幸せにしてあげたい」という愛情による信頼関係です。この信頼関係の中で、子ども達は安心して様々なものを獲得し、私達は様々なものを提供します。今、必死に頑張っている経営者の方々の姿から、この信頼関係が拠り所になっていることがひしと伝わってきます。全従業員との信頼関係を深め、保育の仕事を通じて社会に貢献する集合体を形成することは、私に課せられた社会的責任です。これからも絆を大切にしながら、来るべき「普通の生活」を取り戻した後にも、変わらず様々な人を育て、励まし、社会貢献に努めたいと思います。
小鳩グループ代表 山本 育子
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