代表者の一言
令和3年2月代表者の一言
新年あけましておめでとうございます。昨年来からの新型コロナウイルス感染拡大により、年が明けてもなお、これまでとは違う生活スタイルの日々を過ごされていることと拝察します。
2020年は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策に伴う様々な生活の変化に戸惑った一年でした。2021年は、このコロナ禍での「withコロナ」の生活スタイルに対応する中で、自分自身の心を豊かにしていくことに努めなくてはならない年になるのだと思います。社会的常用語となった「ソーシャルディスタンス」ですが、孤立感や疎外感などを与える一面もあり、心が固くなってしまうような「スタイル」でもあったことと受けとめます。マスクを常用すること、消毒をしてから次の行動に入ること、できるだけ正面で向かい合わないこと。これらはいずれもコロナ禍以前は「この人は私を避けているのかもしれない」と捉えられかねない行動でした。この環境下で保育者である私たちがより一層努めなくてはならないことは、これまで通りの信頼関係を構築することです。保育では「信頼関係」という言葉がよく使われます。子どもたちにとっては、信頼のできる大人が傍にいることが成長するためにとても重要なことなのです。
この話をすると、「信頼関係」を築くにはどうしたらいいのでしょうか、という率直な質問をいただくことがあります。これに対して私は、たくさんの「愛情」を相手に表現することですよ、と答えます。次に「愛情」って何だろう、という疑問が湧きます。この言葉は、親子間・男女間で頻繁に使われる言葉ですが、私なりに申し上げるとすれば、「相手に見返りを求めず、幸せになって欲しいという気持ちを一方的に注ぐこと」だと思います。例えば、「この行為をしてあげたのだから、見返りに私に○○をください」ならば、これは「愛情」ではなくて「取引」になってしまいます。子どもは素直です。幼児が泣いていたら、好きなお菓子を与えて泣き止ませることよりも、泣いていた理由をきちんと聞いてあげて、背景も確かめ、悲しい気持ちに寄り添い、同じ気持ちになって受けとめて共感することが「愛情表現」です。このような行動を繰り返すことで子どもとの「信頼関係」が構築されるのです。大人は子どもに「愛情」を表現するだけではなく、子どもがその「愛情」を獲得するまで、とにかく心から子どものことを想い、固くなってしまった心が綻ぶまで寄り添ってあげることが大切です。愛情に包まれ育まれた子どもたちは「豊かな心」を持ち、「思いやり」をもって人を受けとめ、人を疑うことなく信じる「愛情」で人と接することができるようになります。私たち保育者は、子どもたちが、社会で必要とされる信頼関係を築くための基盤を作っているのです。
私たちの今年の目標は、変化する環境の中で、子どもたちが、たくさんの心の豊かさ、周りの方々に対する優しさ、直接相手と会うことができずとも信頼関係を深めるための気持ちの伝え方を生活の中から受けとって、その未来につなげられるような保育を提供することです。ひとりの人間の誕生は、たくさんの偶然と困難を乗り越えた受精卵が、胎児になり40週で成長し、そして生まれ出るという過程を辿ります。私たちは、一人一人この世に選ばれて生まれてきた子どもたちを、大切に、個性を尊重し、人格形成を援助し、いずれそれぞれの役割をもって社会に貢献できるよう育むことに努めてまいります。このような時だからこそ、より一層「愛情」たっぷりの保育で。
私個人としては、新年を迎え、自分自身の立場において努めていかなければならないこと、積極的に自らができる社会貢献・役割を果たすことが今年の目標です。そのために、たくさんの信頼関係に感謝し、支援・共生の中で「社会」がより良い方向に向かっていけるよう尽力したいと思っております。
子どもたちは誰しも選ばれて、そして必ず「役割」をもって生まれてきています。愛情に包まれた成長過程の中で、子どもたちがより人を愛し信じることができる「人」になれるよう、2021年も小鳩グループ全職員一丸となって「子ども第一主義」の保育に努めてまいります。
小鳩グループ代表 山本 育子
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