代表者の一言
令和3年11月代表者の一言
11月に入り、国内の新型コロナウイルスのり患者数は、信じられないほどに減少しました。長引くコロナ禍によって失いかけている、様々な行事を通して季節を感じることや、自然と触れ合い四季折々の情景を直接受けとめることのできる生活が、ようやく近づいてきた感がいたします。「第6波」といわれる感染の波が来ないよう、引き続き感染対策を継続する必要はもちろんありますが、子ども達には、来る「クリスマス」や「お正月」をコロナ禍前と同様に楽しみ、その意味と意義をしっかりと感じ受けとめてほしいと願っています。
先日、給食材料の仕入先のオーナーの方から「勤労感謝の日」に園児らから手作りの来年のカレンダーを受け取ったことに感謝の言葉をいただきました。年末が近づいていることもあり、小鳩グループでは、全園ではありませんが、園に関係する様々なお仕事をされている方々に日頃の敬意と感謝の意を込めて、子ども達の手作りカレンダーを子ども達からの「いつもありがとうございます」とのメッセージを添えてお贈りしています。改めて「勤労感謝の日」の由来を調べたところ、約73年前に法律で「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日として国民の祝日に定められたもので、もともとの由来は新嘗祭(にいなめさい)という稲の収穫を祝い、神に感謝し、来るべき年の豊穣を祈願する儀式にあるそうです。小学校への入学が間近いお子様などには、一つひとつの行事の由来などを家族でわかりやすく話し合っていただくと良いかもしれません。
農業など一次産業が中心だった昔と比べ、現代社会では「仕事」が多様化しています。子ども達が成長した暁には、社会に対し貢献=仕事に就くでしょうが、仕事は「ものづくり」だけではなく、人の心を豊かにしたり、環境を整備したり、人を導いたり、人を守ったり・・・様々な仕事があります。保護者の皆様にとっては、まだまだ先の事と思えるかもしれませんが、子どもが将来就く「仕事」は周りや親が決めるのではなく、子ども自身が一番やってみたい、できる仕事に就けるよう導いていくことが重要です。仮に大学を最終学歴だとして、○○大学に入ることが目標なのではなく、○○大学で何を勉強し将来何をやってみたいか、という目標設定ができるようになることが大切です。そのためには、子どもができるだけ多くの「自分を大事にし愛情を注いでくれる大人」に出会い、その環境の下で様々な体験の場を得ることにより心豊かになり、自分自身の「やってみたい」をたくさん見つけていくことです。「やってみたい」が恐らくは将来の仕事につながっていくのでしょう。この「やってみたい」を育み、実際に「やってみる」環境を整えることも、保育園や保育者の役割です。
今年度、小鳩グループの各施設では、子ども達がたくさんの遊びを通して豊かに成長してもらうために、先生方の手作りによる環境の整備に力を入れています。現在、施設を巡回していただいている井郷先生は、環境による保育への影響について先生方にわかりやすく伝え導いてくださっています。先日、私が施設を巡回した時も、新しい環境で子ども達の遊びが多様化している様子が見てとれ、将来の社会貢献=仕事の礎をつくる一助になっているのではと嬉しくなりました。どの子も、自分のやりたいことを自身でしっかり考え、決定し、実行できる人になってほしいと心から願います。
「コロナの収束」がかなえば、以前のように「季節」「行事」「自然の変化」などを直接感じ楽しめる日々が訪れるでしょう。あともうひと踏ん張りかもしれません。大人が主導してコロナ禍を脱却できるよう、引き続きしっかりと感染対策を心がけたいと思います。
小鳩グループ 代表 山本 育子
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