代表者の一言
令和2年12月の代表者の一言
今年の夏は遅く始まりましたが、秋の訪れは例年より早くやってきました。この11月は、朝晩の冷え込みはあるものの、空は高く爽やかで「1年で最も過ごしやすい月」と言い得るように感じます。ただ、季節の移り変わりとともに空気が顕著に乾燥してきましたので、風邪など引かないよう園児や職員の体調管理について更なる注意をしつつ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を周知徹底し、引き続き衛生管理に努めて参ります。
このような中、徐々に劇場等の入場制限が緩和されてきたことを受けて、先日久しぶりにミュージカルを観に行きました。今までは、予定の空いている日に気軽に予約して観に行くものでしたが、長期にわたる公演中止や人数制限の影響からか、人気が集中し予約は簡単ではありませんでした。苦労して予約し久しぶりに観ることができたミュージカルは、繰り返し上演され私自身何度も観ている演目でしたが、とても感動的で、幕が閉じた時には観客は総立ち、幾度もアンコールを求める盛り上がりでした。改めて、舞台から、我々の日常に感動や楽しさ、嬉しさなどたくさんの想いが投げかけられていることに気付かされました。それもこれも、役者の方々の日頃からの鍛錬の賜物なのだと思います。プロフェッショナルなセリフと立ち回りで、我々を物語の世界に引き込み、様々なメッセージを伝えてくれます。これぞ、我々に活力を与えてくれる素晴らしい社会貢献だと、改めて敬意を表します。
次いで、世界的に評価されている映画「鬼滅の刃」も観に行きました。園児にも「鬼滅ファン」がたくさんいますので、これは話題についていかなくてはと思い鑑賞したのですが、公開して1か月程経っているにもかかわらず、未だ1時間おきくらいのタイムテーブルで上映され、座席はほぼ満席でした。キャラクターの位置付けなど、予習不足?で事前知識がないままでしたので、私自身はストーリーを追いながら、なんとなく関係性を理解する程度の比較的客観的な鑑賞となってしまいましたが、さすがに爆発的な興行記録を出し、コミックの在庫が店頭から無くなる人気作品です。エンドロールが始まっても300人程いる観客のうち一桁くらいの人しか席を離れる人はいませんでした。この映画にも、私がミュージカルの舞台から得たものに似た、感動や教訓や主人公の回想に感銘を受けるシーンが多く盛り込まれていたように思います。舞台と同じく、映画もたくさんのメッセージを発信し、我々に「活力」を与えてくれているんだなぁと思い、その役割を果たしてくれることに感謝します。子ども達、特に男の子達は強くてかっこよい正義の味方のキャラクターに憧れます。ひと昔前は、ウルトラマンや仮面ライダーでしょうか。強くてかっこよい正義の味方と、その主人公を取り巻く様々なキャラクター。これが将来自分自身が得意とすることで社会貢献しようという発想を抱く、ファーストステップなのかもしれません。
社会貢献は、まさに人の社会に関わる仕事によって実現されます。舞台でいえば、演出家、舞台道具の製作者、役者等々が一丸となり、その集大成として我々観客を魅了するということです。このひとつ一つの役割を担う者が、その分野の「ヒーロー」「ヒロイン」です。映画の中で、強く生まれた人間は「強さ」をひけらかすのではなく、その能力をもって皆を守っていかなければというメッセージがありました。文章を書くのが得意な人は小説家に、化学が好きな人は薬を開発して・・・など、それぞれの強みをもって社会貢献をしていくことが大事であり、そのことに子ども達がだんだんと気付くような接し方をしたいものです。「○○レンジャー」などと子ども達が盛んに真似をしていることがありますが、その中の強さは、将来、それぞれの子どもにあって「ペン」であったり「歌」や「ダンス」であり、皆、自らの強みを生かして社会に貢献していくのだろうなと思うとともに、劇場等での様々な感動が日常生活にこのような気付きを与え、新しい活力に変わっていくのだろうと勝手に想像いたしました。
子育て中にはなかなか落ち着いて劇場等に足を運ぶことは難しいかもしれませんが、自宅で観るテレビの一幕にも同様のメッセージが詰まっているかもしれません。芸術の秋に「芸術」の存在意義を感じ、そこに感謝の意を表しつつ、子ども達が保育園内外にある多様な芸術に触れ、たくさんの刺激を受けられるようにと、願い心掛けたいと思います。
小鳩グループ代表 山本 育子
過去の代表者の一言を見る