代表者の一言
令和5年度7月代表者の一言
今夏は酷暑になるとの予想を、入梅以降盛んに耳にしました。数十年前と比べて、確かに「地球温暖化」を気候の変化で身をもって感じるようになりました。豪雨や突然の荒天は、ハリケーンやサイクロン、タイフーンが生じやすい特殊なエリアだけのものと認識していましたが、最近は緯度が高い場所でも温暖化に伴う様々な現象が起きています。これらの現象を受けて、持続可能な社会に向けて私達は何ができるのか?私は何をしていくのか?改めて考え、実践することの重要さを実感します。まずは、環境破壊を阻止し、地球全体を心地よいものにしていこうとする意識を、強く持たなければなりません。そのためには、そこに関心を持って、情報を得て学ぶことが必要です。学ぶことで気付く、ということです。
小鳩グループの本年度の保育運営部門の目標・テーマは、「学び合おう語り合おう」です。この目標・テーマは、質の高い保育を、より一層、施設や保育者に浸透させるための策は、従業員全員が自ら「学び」、その自己研鑽の成果をもって「語り合い」、施設やグループ内で共有することだと考えて設定したものです。環境破壊の阻止も、個々の「学び」と多くの人の「語り合い」がその実現につながるものと、私は信じています。
先日、91歳の父が車に母を乗せて優先道路を走行中、74歳の女性が運転する軽自動車に、横助手席側から衝突され、20年乗っていた車が大破するという一大事がありました。両親ともに救急車で病院に運ばれたものの、幸い運転していた父に特段の怪我はなく、助手席の母は肋骨を二本折る大怪我でしたが、その日のうちに帰宅することができました。廃車や保険などの各種手続をする必要がありましたが、私の唯一の兄弟姉妹である兄は、外資系会社勤務で月の半分はドイツにいることもあって、急遽、私が山口に帰郷することになり、レンタカーに父を乗せて関係各所を回って諸手続を済ませました。
安全運転は意識していたものの91歳ですので、父の免許返納は大きな課題となっていました。先方に過失がある事故でしたが、父は、相手方の謝罪に対し、幸い何も傷つけることなく優秀なドライバーとして自動車運転人生を卒業できますと、感謝の意を持って応対していました。もらい事故であるにもかかわらず、自ら納得して運転を卒業できたと肯定的に受けとめ、相手を一切責めることがない対応に、心から敬意を抱きました。その後、これまで毎月車の点検をしてくれていたトヨタのディーラーの多くの職員の方々に囲まれ、卒業宣言をして称えられながら、廃車となる愛車に山口の地酒をかけて「今までありがとう」と涙ながらにお別れをしている父を見て、娘ながらに「素敵な父だなぁ」と感動しました。起きたこと、関係した人達、20年乗った車に対し「感謝」の気持ちを表していたその場面は、父と私の素敵な人生の一場面となりました。私からも、「車はかわいそうで、母も怪我をしたけれど、事故は神様からの素晴らしい運転卒業への後押し」であったこと、そして「全てに感謝をしている両親を素晴らしいと思ったことを、直接伝えることができました。90歳を超えてなお、免許更新の認知機能検査で100点が取れる父でしたので、私からは本人が納得しない強制的な免許返納を進言できず今回に至りました。時期は少し遅かったかもしれませんが、父はこの結果に心から納得し感謝しており、私も同じ思いです。
今回の手続などをする中で、父は、たくさんの方から「なんでそんなに90過ぎて若々しいの?」と聞かれていました。私から見ても、到底91歳の趣味、行動、言動とは思えません。一つだけ普通の人とは違うのかな、と思い当たることは、今でも毎日2時間勉強をしているところです。91歳になってもパソコンを使いながら、本を読み、新聞も読み、「学び」に対して貪欲なのです。NHKのビジネス英語の試験では高得点を取らないと納得しません。目標を常に持ちながら社会への関心を継続することを自身のタスクにしているようです。
やはり「学び」は人と社会を豊かにします。学ぶことで見えてくるものや捉え方が随分と変わってきます。学ぶことを怠らない父を見ていると、若い世代の私達こそ、「学び」を糧に、積極的に社会を良くしていくための活動をしなくてはならないと考えさせられます。このことを胸に、これからも小鳩グループでは多くの「学び」の機会を設け、私自身も学びながら、事業の発展・向上に努めて参ります。
小鳩グループ 代表 山本 育子
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