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代表者の一言

令和8年6月代表者の一言

 6月に入り、街路樹の間に咲く紫陽花が目を楽しませてくれます。紫陽花を見る度に、その色とりどりの美しさから「彩」という文字が思い浮かびます。青から赤紫までの微妙に異なる美しい色合いは、正にこの言葉がふさわしいと感じます。一方で、6月は、雨の日も多く、湿度や気温も高くなる季節です。子ども達はもちろん、職員を含めた園全体の健康管理に十分配慮しなければなりません。新年度が始まってから3か月が経つこの時期、身体だけでなく心の健康にも目を向けて、人と人との間が「やさしさ」で溢れる園にしたいと思います。

 小鳩グループでは毎年この時期に、全職員を対象とした保育に関する「基調講演」を実施しています。今年度は、非営利団体コドモノミカタの井桁容子先生のお話を伺いました。保育園や保育者の役割について、やさしく、わかりやすく、メッセージ性のあるお話をしていただき、職員一同、改めて保育の仕事の素晴らしさや、子ども達の伸びやかな成長への関わり方を見つめ直す貴重な機会となりました。また、保育園は「子どもをまん中」に職員、地域、保護者、子ども達をつなげる役割を担う大切な「場所」であることについて、エピソードを交えたお話には、とても感動しました。後日、職員らからも、この講演で一層「保育のお仕事」の素晴らしさを知り、やり甲斐を見出せたとの感想を聞くことができ、嬉しく思っています。

 講演の終盤で、松任谷由実の「やさしさに包まれたなら」の歌詞が引用されたのですが、青春時代によく聴いていた懐かしさもあって、何かあたたかくてふわふわでキラキラしたものを身体で感じました。結婚するなら「やさしい人」だよね、と友人らが口を揃えて言っていたことを思い出し、「やさしさ」とは何か、何を「やさしさ」と捉えているのか、改めて考えさせられました。

 最近読んだ本には、「やさしさ」は、ある日突然生まれ出るものではなく、人間の中に潜在的にあってDNAの進化によって生まれたものとありました。また、人が人を信頼して守ろうとする行動を取ると、人間の脳の中では、子育て中に分泌される「オキシトシン」の分泌が促されるそうです。「やさしさ」は、わが子を守るという思いから哺乳類に備わっているものだそうですが、一方で、親の「やさしさ」が故に、子どもを守るろうと意識しすぎ、過干渉となって子どもの成長の芽を摘んでしまうこともあります。そう考えると、「やさしさ」とは何か、奥深いものだと思います。

 近時よく耳にする、「エンパシー(共感)」や「コンパッション(助けたいという気持ち)」も、人との関わりの中で生まれる大切な力です。これらは一方向でストレートな言葉や行動で示されるものではありません。相手の気持ちに寄り添って関わり、ふわふわと自分らしく安心して過ごせる環境の中でこそ、やさしさを感じることができるのではないでしょうか。井桁先生によれば、人が「幸せ」と感じるのは、「やってみよう」「なんとかなる」「ありがとう(感謝)」「自分らしく満ち足りている」の状態にあるときだそうです。なるほど、この4点に関し自身がネガティブな状態のときは、確かに幸せ感がないように思えます。そして、この幸せと感じられる自身の状態が、周りの人へのやさしさの基礎になるものであるとともに、自身が人のやさしさを感じられる基礎にもなると考えます。

 紫陽花は、その色味から少し寂し気な印象も受けますが、花の上の雨粒に光がきらきらと反射する姿にはやさしさが溢れています。子ども達との散歩や日々の関わりの中には、たくさんのやさしさが見られます。これからも一つひとつの出来事に共感しながら、小鳩グループの子ども達、保護者の皆様、職員ら関係者各位を、大きな「やさしさ」で包んで参りたく思います。

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