代表者の一言
令和7年6月代表者の一言
6月になり、梅雨入りが宣言されたものの、早くも梅雨明けを思わせる晴天と猛暑が続いています。この季節、外歩きをすれば、道端の紫陽花の色彩が、この時期特有の蒸し暑さを何となく和ませてくれます。葉っぱにカタツムリを見つけると、子ども達は大喜びです。春から夏にかけての季節を彩る虫達は、子ども達の興味・関心の的です。子ども達にとって公園は、好奇心がくすぐられる「探検の場」であって、遊んでいる時の子ども達の目はキラキラと輝いています。やがて本格的な夏を迎え、熱中症アラートが発令されるような日が多くなれば、必然、外遊びは控えなければならなくなります。梅雨の合間など、外遊びが可能な日には、できる限りお散歩に行けるよう保育計画を立てて、子ども達の興味・関心を引き出してあげたいと思っています。
小鳩グループでは、毎年この時期に、「保育の質の向上」を目的として、全職員が学び、その学びを実践につなげるための「基調講演」を、全職員参加型で開催しています。本年度は、子育てと家族に関する研究をされている汐見和恵先生を講師にお迎えして、我々の保育理念である「子ども第一主義」に基づき、保育目標である「健やかな体と心を持つ子ども」「感性豊かで、思いやりのある子ども」「のびのびと自分を表し、創り出す子ども」を目指し実現するために、学ぶべきこととその目的を改めて再確認いたしました。保育園の役割や子ども達への援助の在り方を学び、その学びを活かして「良い保育」を行うことで、子ども達が成長し社会に関わり、自己の力で社会貢献をし、そして皆の生活が充実し豊かになり幸せになっていくこと。その意味と意義をしっかり受けとめさせていただきました。
記憶力、思考力、計算力、言語力といった「認知能力」は、それ以外の意欲、自制心、思いやり、表現力、コミュニケーション力などの「非認知能力」によって、より一層伸長していくとお聞きになったことがあるかもしれません。「非認知能力」を高めるのに最適な時期は幼少期であり、たくさんの人から愛され、信じられ、自分自身の興味や関心、探求心が満たされる経験ができる「遊び」は、その絶好の機会です。小鳩グループにおいても、そのような「遊び」の環境を整えるべく、職員らが一生懸命取り組んでいます。そして、この職員らの姿勢は、この仕事が、未来と豊かな社会への架け橋だと認識しているが故のものです。職員らが意欲的に学びに向き合う姿勢は、事業者として本当に誇りです。それは、信念でもあり、日々の仕事の基盤でもあります。全職員の保育に対する思いと職員の働きがいのレベルを年々上げていくことが、私自身の社会に対する貢献でもあると考えています。
もちろん、このような「良い保育」は「安心・安全」があってこそのものです。一人ひとりの子ども達のための良い環境を創出するうえで、その大前提として「子ども達の命を守る」ことがあり、そのことをいつ何時も忘れてはなりません。特に外遊びは、子ども達の豊かな「遊び」である反面、危険も伴います。戸外活動時の点検、担当職員の配置、危険箇所の事前確認、経路の安全性確認など、充分に把握して予備知識を備えたうえで、適切な対応ができるよう運営管理しなくてはなりません。子ども達の豊かな「遊び」は、子ども達の豊かな未来につながる「非認知能力」を育む大切な機会です。十分な知識と経験をもった保育士らが、真剣に話し合って保育計画を立て、「安心・安全」な環境下で子ども達が夢中になって遊ぶことのできる機会を、是非とも創出し続けたいと思います。
保育の仕事は、いつも、子ども中心であることが大事です。子ども自身が、自信をもって自らを表現できるよう環境を整えて、次世代につながる保育を行って参ります。
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