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代表者の一言

令和6年11月代表者の一言

2024年もあっという間にアドベントカレンダーをめくる時節になりました。夏のような気候が11月近くまで続き、やっと気温が下がったと思ったらもう年末です。余りにも早い年末の訪れに、四季の感覚を失ってしまいそうです。それでも、月日の流れは変わらずにあり、保育園の子ども達が、時間の流れとともに着実に、生まれもった生命力で日々心豊かに成長していく姿を見ていると、季節は感じなくとも、季節感を超えた素敵な彩を感じます。

昨今、「詐欺」「闇バイト」などSNS等を巧みに利用した、市井の人々の生活をおびやかす事件が多発しています。平穏な暮らしの中にある一市民が、理不尽な暴力の対象になったり、巧妙な手法で騙されたうえ財産を奪われたりと、真面目な高齢者などの社会的弱者が狙われており、許し難い事件が起きています。若い人が自身のお金に行き詰まっただけで、何も考えず凶悪な犯罪の実行役として関わっており、信じ難く胸が詰まる思いです。

関わった子らの反省のコメントを聞くと、子どもの育ちを支援していく私達には感じるものがあります。もしかしたら、世の中を愛し、信じ、互いに愛情をもって、生きる素晴らしさを分かち合い、感謝し、信頼ある環境の中で育っていればこのようなことはなかったのではないかと…。「育ち」とは、ただ満たされた環境の中に閉じ込めることではなく、子ども達がやってみたいこと、関心のあることに積極的に取り組めるような環境と、それをきちんと支援し、援助する信頼できる大人や目上の人達から温かく見守ってもらえる環境の中にあって、それが本当に大切な「育ち」です。残念ながら、子どもは、その環境を自分だけの力で選びとることはできません。保育園の子ども達は、「遊び」の中からたくさんのことを身に着けていきます。だからこそ、子どもの好きなこと、興味のあることを周りの大人がきちんと受けとめ、その遊びの環境を構築することが大事なことです。遊びの中から生まれた満足感や達成感がやがて自信となり、自発的で能動的な社会貢献に変化していくのだと思います。思うこと、考えたことを発信し、行動することに自信を持ち、自分の行動に対する多くの意見や、多くの人々の気持ちを受けとめるすばらしさを知れば、自身を取り巻く「社会」を信じて生きていけるような気がします。人を信じることができず、社会を受けとめることもできず、貢献する心を持てない人は、決まって何度も過ちを繰り返すように思います。少し道が外れた行動をしてしまう人は、相談する相手がいなかったり、できなかったりして、周囲とのバランスを考えず私利私欲で物事を捉えてしまい、傷つく人がいても引き返せないのではないかと思います。

世の中の犯罪には、人の「育ち」が大きく影響することは否めません。人が傷つくことが分かっていても引き返せないのは、そこに良識や常識が欠落しているからだと受けとめています。罪を犯してしまった人を更生させるとき、ぎゅっと抱きしめ、その人の心の寂しさに共感し、愛情を注ぐという手法があると聞きます。愛情や信頼関係を失ってしまった人を更生するエネルギーチャージです。ただ、これはやはり、私達が日頃保育の中で展開していることと同じように、その人自身が、自らが置かれる環境の中で自ら人を信じ、愛し、そして関係する人々や社会における役割を見つけ、どうやって貢献し、他人との関係の中で、豊かに、生きがいを感じるか…、自ら仕事や勉学、研究を通じて社会の中での役割を果たせるような大人になることが大事なのではないかと思い、私達としては、保育園を通じて、地域社会に貢献できるよう子ども達の育ちを見守っていきます。

自他を信じられず、過ちを繰り返してしまう大人とならないよう、未来を担う子どもを、福祉の精神で見守りたいと思います。

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