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代表者の一言

令和6年4月代表者の一言

新年度を迎え、保育園の子ども達や先生、施設全体が、新入・進級により心機一転、晴れやかな雰囲気の中で日々を過ごしています。今年は桜の開花が遅く、入学式に合わせるように満開となり、柔らかなピンク色に彩られての新年度スタートとなりました。保育園での子ども達の成長は著しく、取り分け在園児さんの大きな成長を感じるのはこの時期であり、園内の晴々しさはこの「成長」から生まれているのかもしれません。本年度も安心・安全な保育環境の維持管理と、子ども達のチャレンジがたくさん実現できる人的・物的な環境づくりに努め、それぞれの育ちを支えたいと思います。

3月半ば、小鳩グループの起こりである今の「小鳩ナーサリースクール」(当時の名称は小鳩保育園)を創設された方がご逝去されました。13年前、保育園運営の後継者探しをされていた故人と人を介して出会うことができ、「あなただったら引き継いでほしい」というありがたいお言葉を頂戴し、運営を引き継がせていただきました。当時、南浦和駅に近い弁天公園前にある「小鳩保育園」は、挨拶と躾に厳しく、礼節を大事にしている保育園でした。その頃は、保育園は子どもの大切な成長を支える重要な機関であると理解されながらも、利用者数の急速な増加もあり、その保育の在り方としては、子ども達一人ひとりの成長に向き合うというよりも園の方針と「形式」に当てはめる傾向が強い時代でした。そして、私自身はこの13年間、子どもの主体性を重んじ、社会のニーズに応えながら、子ども達にとっての最善の利益を実現できているか?子ども達にとって最も好ましい環境を構築できているか?どうすれば、職員に保育の仕事に対して誇りと自信と楽しさを感じてもらえるか?といった多くの課題や悩みと共に歩み乗り越えながら、現在に至っています。

子どもの一人の人間としての尊厳、子どもの権利が大きく見直され尊重されるようになり、子どもを育てることの大切さ、素晴らしさに対する社会全体の認知が随分と広がり、継承後の13年間で、自他(社会)ともに変革が進んだように受けとめています。私たちが行った保育と子ども達の成長が、一つ一つ未来につながって、子ども達が安心して豊かに育っていける社会に変わっていこうとしているのは、このお仕事を創り上げた先駆者、先人の方々のおかげです。

訃報を受け、枕花を供えに故人の自宅に弔問に伺いました。亡くなられて間もなかったため、今にも起きて話しかけていただけそうな安らかなお顔で永眠されていました。お話をたくさん重ね、胸中や時には苦労話なども聞かせていただきながら、バトンをありがたくお受けしました。今もこのバトンを大切にしています。

今年で14年目に入ることになります。保育園運営の役割について、その社会的意義や、社会に必要不可欠なものであることに誇りを持っています。他方で、その役割を十分に果たすためには、職員らと同じ方向を向いて常に自己研鑽を重ねていくことが重要であると強く自覚するところです。何れの職業であっても、日々学び、日々働くことは同じくあるでしょうが、我々の仕事は、社会と環境の変化の中でより一層の学びが必要であると重く受けとめています。そして、このように保育の仕事のやりがいや素晴らしさを感じることができたのも、故人に巡り合ったおかげと心から感謝しております。故人は、「感謝」の言葉をこよなく愛していました。「ありがとう」と言う場面を保育中にたくさん創り出されていました。感謝は愛情や信頼関係の中から生まれるという考えから、「愛情たっぷりの保育」という言葉もよく仰っていました。その言葉の数々から、子ども達の自然の成長力を信じ、子ども達が自信を持って愛情を受けとめ、自己を愛し、他を愛し、「ありがとう」という言葉が自然に出る環境を作ることが我々保育者の仕事ということを学ばせていただきました。私自身も、いつか後進にバトンを渡すことがあろうかと思います。そのときまで、子ども達、職員、関係者の方々が生きる楽しさを感じられるような環境づくりに尽くしたいと思います。

今の小鳩グループがあるのも、生み出していただいた方がいるおかげです。私自身がこの間社会貢献に関わってこれたのも、故人がいたからこそです。これからも与えられた機会を活かし、より一層社会貢献に努める決意を新たにしつつ、心からご冥福をお祈り申し上げます。

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