平成30年7月の代表者の一言

 新年度に入って3か月が経ち、各施設の子ども達も園の生活に慣れ、かわいらしい笑顔など様々な表情を見せてくれるようになりました。先生方も落ち着いた雰囲気の中で、子ども達と取り組みたい多様な遊びを考えています。梅雨入り後も比較的過ごしやすい日が続いていますので、戸外活動で汗をかきながら身体を大きく元気に動かす子ども達の姿を目にしております。これからの季節は、ご家庭においても水分補給を充分にしていただき、熱中症予防など健康管理にご留意ください。

6月の第3日曜日は父の日でした。ここ最近、保育園への送迎、特に「朝の送り」はお父様が担当されるご家庭が年々増えているように見受けられ、育児をご家庭で上手に分担されているように思います。30年ほど前から「男女共同参画社会」が意識され、雇用機会の均等や職場において男女が分け隔てなく仕事を担当し協力・支援し得るように、社会全体が変わってきた結果なのでしょう。

先日、ある大学教授と「男子学生に必要なもの」について面談いただく機会があり、男子学生がつまずいたときに必要な教育とは・・・というお話を伺いました。子どもを育て、師として指導するうえで教え伝えるべきものがあり、それは、ゆりかごで揺られているような安心感を提供する「母性」と、規律やそれを受け留め自律すること、社会の仕組みなどを説き子どもを導く「父性」であると伺いました。

私自身、保育園に2人の子どもを預け、会社に属し働きながらの子育てでしたから、会社を含め社会の厳しさは知っているつもりで、特に子ども達が社会の仕組みに興味や理解を持ち始める中高生の頃、そのような話をしたことがたくさんあります。ただ、いくら導き紐解いても、子どもにとって母親の背中は「優しい場所」であり、母親は子どもを振り向き、時に歩みを止めて追いつくのを待ってしまうところがあります。男性が「社会において成長するとき」とは、信頼し尊敬できる人物が現れたときのようであり、高い目標と信念のようなものに引き上げられて、大きく伸びていく姿を目の当りにしてきました。学校卒業後、就職して間もなくは、同年代の男女を比較すると明らかに女性のほうが器用で社会性をもち、対応力も素晴らしいのですが、私の経験の中ではその後男性が羨ましいほど急速に成長することがありました。今にして思えば、何やら大きな目標と、芽生えた自信、固い決意と確かな判断で、素直に真っすぐに逃げずに進んでいく姿は、実に雄々しいという言葉で表現するにふさわしいものでした。先の面談は、男子の成長過程には、信頼できる男性が(必ずしも父親でなくても…ということでした。)社会の規律を厳しさをもって教えることも必要ということでしょうか。

ここ最近、「優しいお父さん」が増えているような気がします。その中で、教授が仰っていたことは単に「厳しくしなさい。」という意味ではなく、円満を好んで対立を避けるのではなく、正しいことを、未来をつくる子ども達にきちんと示していくことが大切という意味なのだと思います。この事自体は私自身も十二分に理解しているつもりですが、私が10代の頃に感じた「父親の偉大なる威厳」は、私には体現することができないような気がします。父は今でこそ86歳となり、元気で生きていることに日々感謝しながら時に弱気な発言もするようになりましたが、私にとって父のイメージは「偉大なる威厳」でした。その存在感は、紛れもなく「母性」ではなく「父性」でした。古い言葉で「俺の背中についてこい!」という言葉がありますが、なんとも母親には体現しにくいことなのかもしれません。

この父性のイメージは、お父様の「家内に言われたので・・・」という発言ではなく、家族をより良くしたいと願うお父様自身の言葉による導きから発せられるものであり、結果、子ども達が尊敬する素敵なお父様像につながるものとなるでしょう。男女共同参画社会だからこそお父様のご家庭での役割は大きく、率先した育児を私達保育者もご支援させていただき、困ったときには男性版育児相談など、お父様同士の輪も広げながら、皆で愛する子ども達のために育児に関わりたいと考えています。

小鳩グループ代表 山本 育子