平成30年6月の代表者の一言

ゴールデンウィークは地方出張が重なり、強行日程で観光する時間もほぼないままに各地を回って、数多くの指定保育士養成施設の先生方と情報交換をさせていただきました。保育所保育指針が改定され、保育事業そのものや事業を取り巻く環境の変化に対応して未来の保育士を創出するために、施設関係者の方々がご尽力されている話を沢山お聞きでき、新たな思いと取り組むべき課題を考えさせられる有意義な時間となりました。

学校教育は私が受けた昭和40年代から現在までに大きく変化し、子ども達を取り巻く社会情勢・環境も大きく変わりました。高度成長期は、精神論・根性論が謳われ、極限・苦境などを経験して自らを戒め切磋琢磨することにより競争社会を生き残ろう!という環境でした。今では、毎月の園だよりでもときに触れていますとおり「子どもの主体的な行動を重んじること」が大切にされ、周囲の大人が環境を整えて沢山の体験の場を提供することで、子ども達が自ら選択しながら成長していく図が基本になっています。

昭和40年代の厳しい教育の結果でしょうか、私の社会人生活の中では、部下のミスに対して上司が罵倒する姿を目の当たりにすることは日常茶飯事でしたが、そのような経験を経て、私が組織マネジメント法として選んだのは、主体性を尊重する方法です。

厳しい環境の中で無理やり「やらされ」たことは、実行できたとしても、本人としては「否」と受けとめていることがあります。表面的に問題なくこなすのではなく、真に仕事の中身を理解し、関係者・関連事業のために発展的な内容とすることが本来の仕事です。自らの意思に反して「受け身のやりかた」をし「こなす」ことが日常的になると、仕事の「こなしかた」を頭ごなしに押し付けてしまう方法のみが身につき、同じように他の人にも強制してしまうことが多いものです。虐待を受けた子がお友達についつい手を出してしまったり、いじめにあった子がいじめをしてしまうなどと同様です。いくつかの選択肢を与えながら自分の意思で決めさせることで、子どもも部下も自ら成長していきます。私自身、多忙で時間と心に余裕がなくなると顔色暗くなることもありますが、これまでの社会人生活の中、組織において他人を責めたり叱ったりせず、できるだけ沢山の意見交換をし解決策を導くようにしてきました。 

経営者が大切にすべきことは様々ありますが、先ずは従業員を信頼し成長させていくことです。まさに子育てと同様です。従業員一人一人の名前を覚え、問題があれば施設長と一緒に解決していくことを、この仕事をスタートした時から最優先にしています。良い保育は先生達の力で創出されるのですから、先生達に日々楽しく働いてもらうこと、そうなれない時には問題を一緒に解決し、苦しい時を一緒に乗り越えてあげることです。そうすることにより、先生達に心の豊かさや優しさが現れて、まさに先ほどの「環境の整備」により主体的な本当の「良い保育」が生まれるのだと思います。

仕事でも生活でも、同じ環境を共にする人達を優しく受けとめ、お互いを認め合って豊かな心と優しさで包み込むと、物事は良い方向に変わっていきます。子育ては時間がなくて大変です。私のこの言葉どおりに実行することが難しいであろうことは理解しています。ただ、その中で一時でもいいので、今を慌ててこなすより、深呼吸をしてゆっくりと向き合い、気持ちを受けとめ優しさで包み込んであげてみてください。子ども達の見たこともない満面の笑みが戻ってくると思います。そして、そのような時間を見出せたら、人生の宝物にしてくださいね。

私自身は、組織における私の役割として、このようなことをできるだけ多く繰り返し、スタッフ皆がいつも心豊かであるよう努めていきたいと思っております。

小鳩グループ代表 山本 育子