平成30年5月の代表者の一言

 例年より早い桜の開花に続き、4月の公園は既に新緑に包まれ、各施設ともにようやくとお散歩に出かけられる体制が整って参りました。1年を通じてこの4月、5月はお散歩日和の日が多いこともあり、4月に入園した子ども達を室内で慣らし保育する中、「どうして今日はお散歩に行かないのですか?」とのご質問を頂戴することがあります。

 当園では、先ず「慣れる」ということを最優先に保育をしています。「慣れる」とは、もちろん置かれた環境に「慣れる」ということですが、これは、何よりも職員と子ども達との信頼関係を築くことから始まります。園で過ごす時間、施設の外でも中でも、私達が子ども達にとって、いつでも安心して頼ることができる保育者であることが、子ども達のこれからの園での生活で一番重要なこととなります。

 始めの頃は、子ども達は、保護者の方に見送られた後、その姿が見えなくなるまで泣き続け後追いします。保護者の皆様も、後ろ髪を引かれながらも振り払って去らねばならないことに、罪悪感を感じておられるのではと拝察します。特に、保育園に初めてお子様をお預けになられたご家庭では、これまで一時も離れることがなかった時間を別々に過ごすことに、辛く寂しく不安な気持ちを抱かれていることでしょう。子どもはいつしか親元を離れ自立していくものと理解しつつも、それはもっと先で、子どもが自分で何もかもできるようになってからであって、「こんなに早く?」と疑問・不安に感じ自問自答されている方もおられるのではないでしょうか。ただ、幸い低年齢の子どもほど、個人差はあれども必ずと言っていいほど保育園を好きになってくれます。もっとも、この気持ちは、子ども達と職員との信頼関係が適切に構築されることによってのみ、生まれてくるものです。何故外遊びをしないのだろう?早くこんなことあんなことをして欲しい!と保護者の方からご要望を頂くことがありますが、先ずはこの時期、新しい生活環境に「慣れて」から次の行動に移らせていただきたくよろしくお願いいたします。

 そして、慣れも、出来ることにも個人差があります。ほかの子ができるのにうちの子は・・・というお言葉をお聞きすることがありますが、子ども達にはそれぞれの個性とペースがあります。私達は、子ども達を他と比較しながら導くのではなく、個々の個性とペースを尊重した保育に努め、子ども達の主体性を重んじて、自らの意見をしっかり人に伝えられるように育みたいと考えています。

 今後、身近な環境に慣れましたら、外遊び、目的遊び、情操教育などを保育の時間に取り込んで様々な体験の場をご提供いたします。食事についても同様です。最初は完食できない子どもが多いものですが、徐々にご家庭とは異なるメニューや食事環境に慣れ、お友達や先生と一緒に食べることの楽しさを感じていきます。このとおり、4月、5月は、未だ多くの不安が残っている時期ですので、当園では、子ども達のために、先ず「慣れる」ことをテーマとして、しっかりと向き合い寄り添った保育の提供を心掛け実践いたします。

 慣らし保育の時期は、子ども達にとっても保護者の皆様にとっても、環境と気持ちの変化に慣れ、落ち着いていただくためのとても大切な時期です。お互いの信頼関係を構築するためにも、是非、保護者の皆様にも当園を大好きになっていただけるよう、職員一同努力して参ります。

小鳩グループ代表 山本 育子