令和2年9月の代表者の一言

今年の7月は異例の長雨で、東海地方以北の梅雨明けが8月に入ってからになるなど、平年に比べ遅い夏の到来となりました。そして、今年の夏は「特別な夏」というフレーズで表現されているとおり、従来の「夏休み」とは全く異質なものとなりました。「バカンス」ではなく正に「休暇」、休みによる暇な時間を自宅で充実させる夏休みです。

このような制約がある休暇中にあっても、自宅の中で新たな楽しみや感動を見付けられた方も多くいらっしゃるでしょう。お子様の成長に伴い訪れる次のステージを見据え、それに見合った新しい環境をどうやって提供していくか、思いを巡らせる日々を送られたのかもしれません。

私自身は、子育てが終了しても、日頃は多忙にしていますので、夏季休暇のようなまとまった時間は、例年であればたくさんの友人や様々な仕事に関わっている方々のお話を聞くために、活用していました。しかし、今年は、外出自粛要請を受け、多くの時間を自宅で過ごすことになりました。子育て中は猛然と突っ走っていたなぁ、と過去を振り返りながら、27年前の長男出産のときから撮りためていたフィルム写真や、メディアに閉じ込められたままのデジタル画像、子ども達の思い出のアルバムなど、恐らくは撮影時にしか見ていなかったものを、片付けながらゆっくりと見直すことができました。望んではいないコロナ禍ではありますが、改めて過去の思い出をじっくりかみしめ、過去の大切さと、今、与えられた時間の大切さを知る良い機会となりました。

 先日、息子に小学6年生の時に懇願され飼い始めた愛犬「ココア」が15年と2か月の生涯を閉じました。とても悲しい出来事でした。

ココアを我が家に迎えた時の愛くるしさ、皆の悩みを黙って聞いてくれていた姿、悲しいことや悔しいことがあってもその存在が皆を和ませてくれたこと、多くの思い出があり、今春から大阪に赴任している息子を除いた家族3人で集まって、荼毘に付しました。老犬で、亡くなる数日前から食欲がなかったものの、亡くなった日の朝も散歩をし、その日の午後ケージの中で静かに息を引き取りました。介護が必要となる犬が増えている中、介護や支援を必要とせず、最後までたくさんの愛くるしい思い出だけを残して他界したココアには、敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。その夜はなかなか寝付けず、ココアとの思い出を通じて、昔の記憶が次々と蘇ってきました。誰しも思い出はたくさんあれども、何かが起こらなければ、振り返ったり思い出したりすることも特になく、過去に関わり合った「人」「もの」「出来事」に、今生きていることへの感謝の意を意識する機会はそうそうないように思います。過去を振り返り、「ココア」には最後まで「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。

保育園にお子様を預けていらっしゃる保護者の方々は、今、人生で一番時間が足りないときかと拝察します。世の中で、日常の過ごし方が変革されようとしている今、しばらくは「ステイホーム」を推奨する風潮が続くでしょう。このような機会は、そうあるものではありません。子ども達との思い出のアルバムを振り返ってみてはいかがでしょうか?改めて振り返ってみて、その中にいる子ども達の愛くるしさをたくさん発見してください。素晴らしく楽しい「実のある時間」となるでしょう。そして、そうすることで子ども達がこの世に生まれてきてくれたことに、改めて心から感謝することができるのではないか、とも思います。

流れる情報に戸惑う毎日ですが、それでも、明るく楽しく「今」を乗り越えていきましょう。当保育園でも、子ども達がキラキラ輝き周りの人々を幸せな気持ちにさせてくれることに感謝しながら、子ども達が、多くの時間を楽しく元気に過ごせるよう工夫を凝らし、先生方とともに尽力いたします。

小鳩グループ代表 山本 育子