令和2年8月の代表者の一言

緊急事態宣言が解除され、ようやく普通の生活に戻ることができると思いきや、今月中旬以降感染者の急増が報じられ、まだまだ予断を許さない状況です。また、九州など西日本で50年に1度の大雨によって多くの犠牲者が出たことにも、いたたまれない思いでいます。コロナ禍で県境を超えてのボランティアが規制されるなど、被災地において必要とされる人道的な支援すら迅速に行えない状況だったようです。このような報道を受け、この厳しい状況を打開するために、今、我々にできることは何か、真剣に考える毎日です。豪雨でご家族、ご親戚、ご関係者が被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

7月終盤を迎え、通常であれば楽しい夏休みに突入するところですが、今年は、今までに経験したことのない静かな夏休みの開幕となりました。街の雰囲気も、家での過ごし方も、これまでに想像したことがないことが多く、長年生きてきた私でさえ環境の変化に驚くばかりです。もっとも、こういった状況下ではありますが、当グループでは、在園児の8、9割以上が登園するようになりました。自粛期間後の慣らし保育が終わった今、子ども一人ひとりの笑顔や元気は例年と何ら変わりなく、個々の力、保育士らの支え、お友達同士の関わり合いによって楽しい時間が持てることで、子ども達が着実に成長していると受けとめています。世界中のコロナ禍が収まらなくとも、天変地異とも思われる大雨が降ろうとも、保育園は、子ども達が安心・安全に過ごせる場所であり、笑顔を絶やさない場所であり続けなければなりません。私達の未来である子ども達が、人のため、世界のために自ら道を切り開き貢献することを大切に感じる礎の部分を、保育の現場で導くことが責務と感じています。

以前にも触れましたが、このコロナ禍は「新一年生」にとって高いハードルになっています。小学校、中学校、高校、大学の新入生、そして新社会人の方々です。小鳩グループでも新卒採用のスタッフが複数名います。入社早々この事態ですので、新卒者には特段の配慮をした上で、従前のやり方にこだわることなく、一方で、これまでどおりの仕事観や感覚で組織に馴染んでもらえるように努めています。周りの特別な配慮が何よりも本人に重要な影響を及ぼします。この先、このコロナ禍でのスタートが、思考や行動に影響するかもしれません。そのときは、きちんと筋道を立てて、他のスタッフと同様に組織に馴染んでもらえるよう、管理者は尽力しなければなりません。

我が家の二人の子ども達も本年度新社会人となりました。社会人として初イベントである入社式もリモートで行われ、研修、ガイダンス等も全てリモートだったそうです。たくさんの人と直接コミュニケーションをとり緊張感をもって人と接する場が少なく、また、雑談や会合で生まれる共感や新たな関係性の構築や展開が少なくなっているように思えます。遠隔でのコミュニケーションツールが技術的に発展し、これだけで十分と考える方も当然いらっしゃるでしょう。ただ、私自身は、リモート会議を経験した感覚として、何気ない会話から生まれることや一つの会話から派生的に複数の考え方を知る機会が、直接対面しての会議に比べて非常に少ないように思っています。むしろ、相手の仕草や表情、対面でのブレーンストーミングから生まれる発想は「人」として必要だったんだなということを、改めて知らしめられた思いです。

人と人との接触は、今、最も避けなければならないことです。しかし、保育園ではそれを避けて通ることができません。もちろん、安全・衛生面に留意しながらですが、子ども達には人との直接の触れ合いを忘れてほしくなく、触れ合いによる共生、共感の大切さを伝えていきたいと思います。

小鳩グループ代表 山本 育子