令和元年8月の代表者の一言

夏休みシーズンに入り、ご家族で「お出かけ計画」を立てられているご家庭も多いことと拝察します。私事、幼い頃から星を見ることが好きだった息子と、来年度就職前の自由な時間があるうちにと、「天体観測ツアー」と銘打った3000メートル級の山を星空を求めて登山する母息子二人旅をしてきました。娘とは、同性故もあって、日頃から買い物に食事にと一緒に出かけることが多いのですが、大人になった息子と一緒に出かけることはなかなかなく、二人旅行のことを知人に話したところ、、、「う~ん」と首をかしげられました。

一生懸命子育てをしていた頃の家族全員での「定型的」な家族旅行とは違い、二人での旅行は初めてでしたが、息子も年齢を重ねたせいか、お互い向き合って、真面目に冷静にフランクに話ができるようになっていました。海や山を見て同じように経験に基づく共感の言葉が出てきたり、お酒を飲みながら気軽に話したり、我が子の成長に、親にとって達成感にも似た何ともいえない満足感を感じ、まさに至福のときでした。

夏休みシーズンのため、家族連れに遭遇することも多く、悪ふざけをして怒られている子どもや、意見が通らず泣いてしまう子どもにも多く出会いました。思わず、「保育者」の立場から、「子どもはそれぞれ意味があってこの行動や言動をしているんですよ。」と冷静に助言したくなってしまいます。もっとも、私自身が子育ての当事者だった頃は、やはり我が子に対して真剣に様々諫めていたような記憶があります。特に、一人目の子である長男に関しては、「危険を伴うこと」「他人に迷惑となること」をあらかじめ示して制約し、私が望む領域に押し込めていたのではないかと反省します。今、この仕事を通じて保育を学び、子どもに寄り添い、そして管理者となり、子ども達に本当に大切なものを提供したいという信念を貫くことが、とても重要であると実感しています。

我が子の子育ては必死で、ときに余裕がなくなります。特に保育園に預けていると、家庭で一緒に過ごす時間が限られ、どうしても一般論や社会通念を重んじて「子どもに提供すべき事柄」を箇条書き的に行ってしまいがちです。一呼吸おいて「この行動や言動は意味があってしているもの」と冷静に捉えることは難しいでしょう。だからこそ、我々保育者は、ご家庭に向け、適切な助言や支援をしなければならず、その必要性と社会的責任があると考えています。

保護者会や第三者委員会などで、様々なご意見・ご要望をいただきます。当グループは、常に「子ども第一主義」で子どものために重要なこと、必要なことを意識して、対応や改善に努めるようしています。ただ、ときに皆様との接点の修正が必要な場面もございます。そのようなときは、各施設の先生方をはじめ本部スタッフも一体となって、「子ども第一主義」に則して、考え、行動しなければなりません。

息子との「天体観測ツアー」中、悪ふざけをする保育園児くらいの2人の兄弟が親に厳しく注意されていました。ただ、悪ふざけは「事象」に興味関心を示し、それを自分なりに考え、どのように示していくかという、将来に向けた貴重な行動の出発点でもあります。もっとも、してはいけないことと、受けとめてあげられることを区別して意義づけることを、親が公共の場でなすことはとても難しく、なかなか至らないでしょう。だからこそ、我々保育者の役割があるのだと思います。

2人の兄弟を見て、息子に「あのときは本当にお母さん余裕がなかったから怒ってしまってごめんね。」と伝えたところ、「昔のことは忘れたよ。」と笑って答えてくれました。これは、息子自身が親になったときにこの言葉を思い出して気づいてくれればという、私から息子への大切なメッセージです。

私達は、皆様と保育についてお話する機会をたくさんいただいています。保育者として示すべきことを示し、小さいことでもよいので「子どもにとっての大切な気づき」を提供できるよう、日々努めて参ります。

小鳩グループ代表 山本 育子