令和元年6月の代表者の一言

新年度開始から2か月が経ち、各施設を巡回していますと、子ども達がクラス毎の活動や生活リズムに慣れ、保育所でにこやかに朗らかに過ごせるようになって、先生と子ども達が笑顔で応え合う微笑ましい姿が多く見られるようになりました。規則正しい生活の中で、日々の内外での活動、お散歩、給食、おやつなど、それぞれの時間を有意義に楽しく過ごしている姿に、子ども達が保育所を「安らぎの場所」と認知してくれているのだと、私自身、心から喜ばしく嬉しく感じております。

5月のゴールデンウイーク明けに、ニュースでも大きく取り上げられましたが、滋賀県で保育園児のお散歩の列に乗用車が突入し、小さな命が奪われてしまう悲しい事故がありました。日常的な活動において、想定しがたい不慮の出来事により、子どもの命が奪われる悲惨なケースがここ最近多発しています。例えば、高齢ドライバーによるおそらくは運転操作ミスにより、歩行者が死亡する事故もこの滋賀県の事故の少し前に発生しました。先日開催された各施設の保護者会でも、これらの事故を踏まえて社会全体としての安全対策について問題意識を持たれている方が沢山いらっしゃいました。もちろん行政からの注意喚起もありますが、私達はこのような事故が起こるたびに自らの管理体制を省み、日常のお散歩経路に危険な箇所はないか、時間帯毎の交通量から測られる危険度はどの程度か、ガードレール等の設置状況、お散歩時の保育士と子どもの配置などを再確認します。交通事故に限らず、災害(火災、水害、地震)時の避難経路、避難場所、また、不審者に対する防犯体制等、子ども達を取り巻くあらゆる潜在的な「危険因子」を想定しながら管理体制を整えています。日頃の訓練は有事の際に「子ども達を守る」大切な取り組みです。とはいえ、私達だけでは子ども達を取り巻く地域社会での安全を完全に確保することはできません。是非とも関係者の皆様方のご支援をいただきながら、安心・安全な運営に努めて参りたいと思います。

ちょうどこの頃、所用で山口にある私の実家に立ち寄りました。私の父親は80代ですが、現役ドライバーです。高齢ドライバーによる事故のニュースを受け、運転に関し、自ら社会のための決断をすることが必要なことを、親子でじっくりと話し合いました。地方では、現状、ご高齢であってもハンドルを握る方が多数いらっしゃいます。リスクは高いけれども、地方での車なしの生活は、公共交通機関の利便性の悪さなどから、医療機関への通院や日常の買い物だけを考えても「運転の必要性」は否めません。もみじマークを付けた高齢運転者は、少しゆっくり目ではありますが安全運転には徹しているように見受けられます。それでも、個の事情のみにとらわれず、社会全体としての安全対策を改めて考える必要があります。社会福祉に携わる我々は、社会的な問題意識を常に持ち、万が一を想定して、可能な限りの環境整備に向けた事業者努力をし、社会をけん引することも役割なのだと自覚します。

自然災害を除き、事故は概ね人為的に起こります。超高齢化社会の到来を前に、様々な施設でバリアフリー、転落防止策、車椅子等の誘導通路等のハード面を整える一方で、私達自身が、気づき、人として対応すべき事故防止策を考えなければなりません。保育所では日常の事故を未然に防ぐため、ヒヤリハット事例を挙げて、保育士会議等でその予防策を検討していますが、今後も、子ども達にいつでも安全な環境を提供できるよう、子ども達が犠牲となる悲惨な事故が生じないよう、先例を教訓にしながら安全対策に努めて参りたいと思っております。

安全な環境に向けた体制整備について、事業者として責任意識を高く持ち、保育士を含めた職員全員の危機管理意識の向上に導くよう努力いたします。

小鳩グループ代表 山本 育子