令和元年12月の代表者の一言

今秋の小鳩グループ全16施設の運動会は、開催場所の都合から10月上旬に集中することなく、9月中旬から約1か月半にわたって五月雨式に開催されました。初めの頃は「真夏」を思わせる炎天下でしたが、最後の頃はすっかり秋めいて、上着を羽織らなければならないような気候になっていました。今年は台風の影響が甚大で、開催につきご心配をおかけする場面も多々ございました。全施設において無事開催できたことに感謝するとともに、台風等で被害に遭われた関係者の皆様には、心からお見舞い申し上げます。

運動会が始まるのと同時期に、日本において、アジア初開催となる「ラグビーワールドカップ」がスタートしました。私は、学生時代、同世代である故平尾誠二さんのファンで、秩父宮ラグビー場や国立競技場等に足を運び、伝統の早明戦や、成人の日に開催される学生対社会人の日本選手権を観戦することが度々ありました。今回のワールドカップでは、日本が勝利を重ねるごとに全国のラグビー熱がだんだん高まり、ラグビーというスポーツの、メンタル面では紳士でありながら肉体をぶつけ合う格闘技的な特性や、様々なエピソードに魅了されながら、日本列島がすっかりラグビー熱に覆われました。

流行の「にわかラグビーファン」に対し、私は「古のラグビーファン」とでも言うべきでしょうか。「一生に一度だ。」というキャッチフレーズに突き動かされ、スケジュールの調整がつくところで、まだ対戦チームが決まっていない10月27日の準決勝のチケットを確保しました。「準々決勝3勝者(プールC2位とプールD1位の勝者)と準々決勝4勝者(プールA1位とプールB2位の勝者)」と記されたチケットを、プールAの日本が1位通過するとは全く予期せぬ中入手したのです。まさかのアイルランド戦での勝利に、白熱のスコットランド戦の勝利が重なり、何と日本がプールA1位です。あいにく準々決勝の南アフリカ戦には負けてしまったので、10月27日が日本戦とはなりませんでしたが、日本チームは、皆に夢と希望を与え、心が一つになることの素晴らしさを伝えてくれたように思います。そして、試合会場のボランティアの誘導はスマートで、各国報道陣や観客が会場で一つになり、日本文化の演出もあいまって、思い出に残るワールドカップ観戦となりました。

アジア初開催の大会で日本の「ホスト力」が賞賛されたこと、南アフリカの歴史的背景の下、同国がイングランドに勝って優勝したことの意味などに思いを馳せると、一つ一つの出来事に心の中にジンと伝わるものがありました。古のラグビーファンにとって、ラグビーのイメージは、終わったら敵味方なしの「ノーサイド」であり、この言葉がラグビーを象徴するものです(もっとも、現在では世界的にはさほど使われていないようですね。)。

保育園の運動会も、正にこの「ノーサイド」です。子ども達は敵味方に分かれて競い合いますが、競技が終わればまたにこやかに笑顔を交し合います。「みんな頑張ったね、また頑張ろうね。」と言い合えることが、保育園の素敵なところです。

オリンピックにしてもワールドカップにしても、観戦後はしばらく心を動かされてしまいます。アスリートのファインプレーは、言葉が通じなくても、世界中の誰もを感動させ、感涙させます。保育園の運動会も、この場面と酷似しています。一人一人の努力や成長が積み重なり、感動を共有し、心を通い合わせることができる、とても素敵な場面です。

日本がベスト8に入るということは、正直予想し難いことでした。自国開催という優位性もありましたが、試合を重ねるたびに大きくなっていく応援が、正に日本チームを勝利に導いた要因だと思います。子どもの成長も、同じようにたくさんの応援があればあるほど、その子自身の成長力に紐づきます。この2か月の日本列島のラグビー熱は、様々な形で私たちの心の中に刻み込まれ、次なる夢と希望をもたらしてくれるでしょう。そして、私達社会福祉事業者も、そのような導きができるよう、しっかりした土台作りに努めたいと思っております。

小鳩グループ代表 山本 育子